自信という名の罠

ななこさんは耳があまり聞こえないということが過去の記事から分かっている。

下のリンクはとある実験のリンクである。

https://news.biglobe.ne.jp/trend/1017/kpa_181017_8439628386.html

 

光が出るタイミングと音が出るタイミングを同時にする。3回連続で音を出すが、光は2回しか出さない。

すると、実際には光は2回しか出ていないにも関わらず、3回出ていると錯覚する人がかなり多くいたという。

また、音の回数を2回にして、光の回数を3回にしても光が2回出したと思ってしまう人が多いようである。

これは我々がいかにいろんな感覚に騙されているのか、また脳の中の幻想に生きているのかを表している実験とも言える。

耳が聞こえにくい人は、そういう感覚を1つ排除して、さらに言うと他の感覚が洗練されているのでないかと思う。上の実験でいうと音に騙されずにものが見える。

私にはその感覚は分からないけど、他の世界を生きているなと思っている。

 

私も実はとある感覚が人より鈍い。

話は私の就活時代に遡る。

私は実は科捜研に憧れていた、とある飲み会で科捜研の人と知り合いになり見学にまで行ったほどである。

科捜研の試験には色盲の試験があるのであるが、私は見事にその試験でダメだった。

薄い赤色が見えない。ずっとグレーっぽいと思っていたシャツの色がピンク色だった衝撃。

自分の見てきた世界が実は他の人が見ている世界と違うという事実にショックを受けた。

別の個体が同じ価値観を共有できないことは知っていたがコミュニケーションはできていることをすごく不思議に思っていたのだけど、そのコミュニケーションすらできない状態がある事。それをこんな形で痛感することになるとは思わなかった。

 

周りは私のことを可哀想だと言ったけど、私はそんな色が見えにくい世界の方がもしかすると綺麗なんじゃないかとも思っていたので、何故哀れむのかよく分からなかった。もちろん、なれない職業があるのは悲しかったが…

わたしが色弱だと分かってから、当時医学部に通っていた私の親友が「自分に自信がない」と私に相談してきた。

私から見れば華々しい経歴の持ち主であるし、何より自分に対して厳しくできるところや、私に対しても決して甘い事だけではなく愛を感じる痛烈な批判をしてくれるところを尊敬していた。

彼を励ましたい。しかし、私は直接励ますのが恥ずかしいのでフェイスブックでこんな投稿をしてしまった。

 

「(前略)とある職業に就くための検査でわかったのだけど、私は弱い色盲である。通常の人が見えているはずの色が見えていない。なので、他人の知覚を経験することは不可能なので証明は出来ないけど、私の見る世界は他の人とは違うと思う。自分が見ているものさえ他の人と違うというのに、私は一体何に自信を持てば良いのだろうか。

でも、一つだけ友人として言っておきたいことがある。

君のその努力が自分の自信の無さを補うためにしてきたものだとしたら、自信なんか持たなくていいと思う。君はその自信の無さのおかげで頑張ってこれたのだから、これからも謙虚さを持って研鑽を積んで欲しいと思う。私は君の自分に厳しく努力できるところを尊敬している。

たちの悪い諧謔にしか聞こえないだろうけど、これは自信を持って言えることだ。」(当時の投稿の抜粋)

この文章を受け取って、友人は何を思ったのか分からない。久しぶりに会った時に「ありがとう」とだけ照れたように言っていたけど、私は何のことか深く追求しなかった。

本当は「自信持てよ」ってストレートに伝えたかったけど、何せひねくれた性格だったのでこんな伝え方しかできなかった。

今でも彼はストイックに外科医をやっている。田舎の病院で症例が少ないため、現状では自分が成長できるチャンスが少ないと感じたので医局を変える決意をしたことをこの間報告してきた。

私も負けてられないなと思う。

 

ななこさんの文を読んで、そういえば当時そんなことがあったなと思い出すことができました。感謝いたします。

 

頓首 神宮寺

“自信という名の罠” への6件の返信

  1. 嬉しいなあにやけちゃった。
    自分は本当に耳以外フツーだとおもって生きていたけど、最近「え、ななこちゃん視野ひろくない!?」っていわれることとか、思想が必ず耳が聞こえないところにたどり着くこととか、けっこう人とは違う人生をおくっているんだなあと実感する機会が増えたよ。楽しくてたまらない。
    色盲で進路に影響があったのは悔しい思いをしたと思うけど、色盲があるからこういう記事がかけているんだと思うとアイデンティティの構造にも大きく関わってくるよね。
    今日もありがとう。

    ・・・ところで、ハムは何色に見えてるの?

    1. 色を言葉で伝えるのは難しいです。クオリア(似非科学っぽいですけど)

      はむははむ色です。あれはピンクと呼んでます。
      フェノールフタレインの滴定とかが分からない。

      色を言葉で伝えるのが難しいで思い出しましたが、鋼と羊の森って本は音を景色とか匂いで例えててすごいなぁと思いました。

      1. なるほど、リーゼントにはリーゼントの「ピンク」があるんだね、面白いなあ。
        今、わたしは哲学を学んでいるのだけど、生まれて初めて哲学的なことを思ったのって、色なんですよ。やっぱり、自分が見る「赤」と他人が見る「赤」って違うんじゃないかな、って思ったりする時があるんです。色盲とかそういう話ではなく、そもそも定義から違うんじゃない?っていう話です。私が黄色だと思っていた色が、相手の中では青かもしれない。
        『羊と鋼と森』、読んでから出直します。

    1. Thank you for comment.

      I will not handle what I do emotionally as a rational man.
      I know human beings are just animals.

      I dare say that how come you recommend the page.
      You mayn’t that,it’s scare.

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