いってきます

自宅のポストには、とある友人からの手紙が時々届く。彼女はかなり寒いところに住んでいるので、大抵は「おお寒い寒い」などと書いてある。私は彼女に比べると一応暖かいところに住んでいるので、「ぬるいぬるい、こっちには暖冬の来とらす」などと適当抜かしている。本当は普通に寒い。いつもスクワットをしている。

これは21世紀の話なのだけれど、私は19まで携帯電話を持っていなかった。そのまま諸事情あって見知らん土地の牢獄(のような寮)に住んでいたので、「娑婆」(と呼ばれていた)の友人や家族との連絡手段はもっぱら手紙だった。いや本当は、寮長の部屋の正面に公衆電話が3台あった。でも大抵はどれも行列ができていたし、寮長が極めて苦手だった自分は、そこへ行くのも憚られた。寮長は機嫌が悪いと、突然人にいちゃもんをつけて憤怒する習性があった。触らぬう●こにも祟りありな状況下では、なるだけ気配を殺して隠れて生きるしかなく、そんなわけであらゆる人といちいち手紙のやり取りを行なっていたのだ。

しかしどういうわけか、晴れて脱獄を果たして自分の携帯やパソコンを手にした今でも、この友人とは文通が続いている。会う予定を立てる時や、ちょっとしたクリスマスの挨拶などはLINEを使ったりもするのだけれど、大抵の近況報告だの何だのは、手紙かハガキに書いて出す。二人ともさして筆まめでなく、結果自分が言いたいことを言いたい時に、一方的に書きつけて送る、という状態に近い。でもこれが案外快適なのだ。LINEって便利だけど、実は結構気を遣うツールなのかもしれないね。(今更感 笑)

さて、今日はそんな彼女と1年ぶりに会うため、二人の居住地からおおよそ中間地点の場所に来ております。これからしばらく、2人で飄然旅行をしてきます。オチなくてすみません、いつもお読みくださる優しい皆様に感謝です。

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