とっても神々しい夢だった。
お尻に翼の生えた羊たちが、自由自在に海を泳ぎ回る山羊の群れを追いかけている。
空飛ぶ羊はしっぽの代わりにいくつかの黄金色の翼を生やしていた。羊たちの体は重力を無視して空を駆け巡り、小さな翼はまるで舵をとるようにぱたぱたと羽ばたいていた。
一方で、羊たちに追い回される山羊の群れは少しもおびえたように見えない。緑の海藻が揺らめく間を銀色の毛をたなびかせて山羊たちがすり抜ける。海の中で小魚の群れが自由自在に泳ぐように。
ここはどこ?空なの?海なの?
どっちでもいいや。ひたすら目の前の光景の美しさに見入っていた。
目が覚めてまず思った。
牡羊座と山羊座みたいだ。牡羊座は金色の羊、山羊座は魚のしっぽを生やした山羊。そんな神話があったよね。
夢ではなぜか羊のしっぽが翼になっていたのだけど。
それからこういう光景、前にもあったなと思いだした。たしか本の中で読んだような気がする。
「荒ぶる狩り」という言葉がふっと頭に浮かんだ。思い出した!
『ダークホルムの闇の君』
の中でグリフィンと肉食羊たちが犯罪者たちを追っかけ回す場面がある。
と言うとなんだかシュールだね。
「荒ぶる狩り」は、今朝の夢みたいに神々しいわけではない。なんと説明したらいいのか、ちぐはぐで奇妙な光景が物語の中では自然にうまく収まっている。
「グリフィンと肉食羊たちが犯罪者たちを追っかけ回す」へんてこりんさがおもしろいと思うんだ。いったいどうしてそうなった!?という感じが。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズが大好きだ。いまのいままで忘れていたことが不思議なくらい。
これから「好きな本は?」と聞かれたら、「ダイアナ・ウィン・ジョーンズみたいな本」と即答することにしよう。
羊と山羊の追いかけっこの後、もう一度目を閉じて、今度は違う夢を見た。
ゼミのみんなでピザを食べに行ったらしい。
花嫁のドレスになりそうなくらい大きなピザがテーブルの上に並べられていて、そこからめいめい自分の分を切り分けていた。
子どもの描いた宇宙みたいな青と黄色のピザを、私は食べて見たいと思う。ところが、小さく切り取ったつもりなのにまだ大きすぎてお皿からはみ出ていた。
水を飲みたいなぁ。ガラスの水差しを見つけて手に取ると、誰かがタイミングよくコップを差し出した。
というところで目がさめる。
本当にのどが渇いていて水を飲みに行った。結局、宇宙みたいなピザは食べられずじまいだったな、残念。
さっき教採試験対策の問題を解いていたらたまたま近代史で、「眠れる獅子」という言葉を見つけた。ナイフとフォークを持った欧米列強が、CHINE(=中国)と書かれたパイを取り囲んでいる風刺画を覚えている人もいるのではないだろうか。
夢に出てきたでっかいピザはなんの意味があったんだろう。そんなことを考えた。
とりとめもない文章になってしまったけどごめんね。夢とはそういうものだから。
「いい夢みてね」と声をかけられるおかげなのか、最近の夢はめっぽうおもしろい。
今日も読んでくれてありがとう。
いい夢みてね。おやすみなさい。