パインの消しゴム

 

 

 

 

 

そこは黄緑のかかった水色の天井だった。果てまで続く天井は終わりが見えなかった。天井にはわたあめのような白い雲がいくつか飾られていた。

目の前に不思議な構造物があった。建物と呼ぶには悩んでしまう、駅前によく置かれるような意味のつかめないモニュメントに似た、構造物だった。

バケツいっぱいの白にたった一滴の黄色を垂らしたような、白とは呼び難い色をした長方形のブロック状を不規則的に組み立てられていた。それはかなり高く、自然と黄緑のかかった水色の天井を見てしまうほどだった。

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もう時代は令和だよ。

 

 

 

 

人間が作り上げた不純物な灰色の硬い石の道を焦がす程の陽射しが降り注ぐ日々も過ぎ去って、ようやく穏やかになる頃に「地球史上最大の台風」というデマと共に暴風雨がやってきた。

それも過ぎ去って平穏な日常が少しずつ戻ってくる頃、わたしたちは東の都に集まっていた。

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赤い世界

 

 

 

気付いたらわたしは緩やかな坂を登り歩いていた。あたりは赤レンガで作られた、ひとつの家族が住むには十分な大きさの建物が並んでいて、遠くには雲が高く空に浮かんでいた。建物の足元にはひまわりたちが大きな顔で咲いていた。

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