見送りに行った。本当は一緒にロシアへ行く予定だった友達と、本当は乗る予定だった夜行バスを。
私は名駅を全力疾走した。右手で持ったドッグフードの袋が揺れる。
なんでドッグフードなんて持って走ってるのかって、それには訳があるんだよ。
はたから見たら滑稽だったと思うけど、走ってる私は至って真面目。一日中バイトでへとへとなのも忘れていた。昨日子どもとかけっこして筋肉痛なのも忘れていた。
間に合った。
束の間の再会は感動的だったと言える。私は息を切らせてバスのチケットを取り出すのがやっとだったし、バスの運転手さんはしきりに私たちを急かしていたけど、それでも。
「ロシアで会おうね!」
と言ってСはバスに乗り込んだ。
2年ぶりのロシア。留学の時のルームメイトと卒業旅行にいく約束だったのに。
いったい何が起こったか。
現在、私は頭を抱えてる。どうしてこうなってしまったんだろう。
どんどん沼にはまっていくこわさ。
種明かしたのしみにしてます◎