酒の席、実のある会話をしたことがあるだろうか

酒の席で、実のある会話をしたことがあるだろうか。
その疑問を自分になげかけてみた。おそらく一度たりともなかったような気がする。もちろん、記憶として残っている素晴らしい思い出はある。けれど、そのどれもが邂逅の喜びや、疲れた心をいたわる想いや、空間と場所の暖かさが、ただ残るだけで、その場に決定的な会話が含まれていたかというとほとんど存在していない。

真剣に物事を進展させたり、緻密な計画を立てたり、相手の発するすべての情報を取りこぼしたくないときは、僕は基本的に酒の場を選ばない。たいていはアクセスの良いカフェとか、大学のフリースペースを選択する。

まあ、議論で深めるのもあれなので、結論を急ぐと、酒を飲む場と飲まない場は用途にわけて選ばないといけないなと改めて感じた。最近間違えがちなのは、初めて会う人間に酒の場を選択することだ、「酒を飲むこと」のメリットは「酒を飲んだ」という事実を残すことにあるので、もし初対面の人と酒を飲みかわし、親密であるという事実がのこったしても、結果としてなにも情報を共有していないということが多い。

今日も読んでくれてありがとう。酒の場は、そのほかの時間に費やした労力や時間を、昇華して可視化するための装置だと思う。いたって末端の消費行動に該当するので、酒にいたるまでの実がなければほとんど意味をなさないのだろう。

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