「あやとび、知ってる?」
何年ぶりだろう。なわとびを回す。腕を交差し、解いて、また交差。その繰り返し。
昔と同じように、なわとびは楽しい。
小学生の頃の懐かしい記憶がよみがえる。学校の校庭で一生懸命練習したっけ。縄が当たるせいで、体のあちこちにみみず腫れを作りながら。
あやとび、二重とび、はやぶさ…。
私はそんなに運動が得意ではなかった。友達の方がいつもよくできて、私はそのあとを、少しでも追いつこうと練習した。
あんな風にかっこよく跳べるようになりたい。ひたすら憧れていた。
完全なる外発的動機だったかもしれない。でも跳んでいるうちになわとびに夢中になっていった。
はやぶさが飛べた時はね、
信じられないくらい嬉しかったな。
大人になった今、あやとびを跳ぶ。
それを見た子どもが真似して、一生懸命練習していた。
私の心のどこかがじんと熱くなる。この気持ち、なんて言ったらいいだろう。
そうか、「楽しみ」なんだ。
跳べるようになったら、見せてね。