Re:Re:Re:生きるために、書く

はじめまして。生きるために書かせてくれてありがとう。

折角の初投稿なのだから、何かいい感じの自己紹介をしたい。人間だもの、できたら初対面の相手には、できるだけ良い印象を与えておきたい。仕方ないやん、それは人情というものやん。でもここで、あまりに有り触れた問題が浮上してくる。(有り触れた問題ほど深刻な問題はない)

自己紹介は、苦手だ。

私は初めて誰かと会ったり言葉を交わしたりする際、猫を100匹くらい被りまくってしまう。そしてその結果、まず明らかに自分の声帯ではないところから声を出してしまう。

おい、今の声は誰の声なのか?ヘソか?ケツか?

その声の主については未だ不明であるが、今落ち着いて考えると、恐らくは被った猫のうちのどれかの声である。あるいはその猫のヘソかケツの声である。そして更に、その出所不明の声を用いて、卑屈なほど馬鹿丁寧に話してしまったり、あるいは妙にスカしてしまったりする。思ってもいないことを前世から思い続けていたかのように熱弁してしまったりする。結果自分自身、今自分が何を言っているのか理解できていないし、本人が理解できていない話を、初対面の他人が理解するのは増して不可能である。悲劇。あまりに有り触れた悲劇のはじまり。こういう悲劇を繰り返す人間は、さほど年齢と関係なく、世の中に少なくない。では一層何故、このような悲劇がいつの世でも繰り返され、我々のような人間は懲りず自らを追い詰め続けてしまうのか。

今、思うに。

これはもっぱら、猫を被る、という行為の本質が、「猫を手当たり次第、大量に被れば良い」という単純なものではないことに起因していると考える。つまり猫を被るためには、当然であるが、まず被る猫を選ぶという作業が必要であり、その作業においては、世に存在する様々なタイプの猫の中から、それぞれの猫の本質を正しく見抜く洞察力が求められるのである。また猫というものは、ややこしいが私の経験上、往々にして初対面の相手に対して猫を被っている。その猫が被っている猫を透視し、猫を脱いだ猫が一体どんな猫なのか、どのような可愛らしさ、美しさ、特技、あるいは秘められた攻撃性等を持ち合わせているのか考えなくてはならない。おまけに、猫は多少喧嘩っぱやい性質を持っている。猫同士の相性を伺いながら、彼らの関係を上手く保ち、その能力の相乗効果を狙っていかねばなるまい。

え、くどい?聞いてよ、まだ会って数分やん。まだ初対面やん。

それだけではない。猫を被るには更に、自分の容姿や雰囲気を踏まえ、厳選した猫達をどう被りこなすのかというファッションセンスの問題、身のこなし方の問題が付き物である。ましてや猫を被った状態で維持しようと決めた暁には、相応の忍耐力、体力だって求められる。どれほど美しく思えても、猫というのは実際に被ってみるとやはり「匂う」のだ。猫とはつまり、獣である。そして多くの毛が生えている。暑い。被りすぎなければ冬はまだ良いが、就活の頃などは一匹被るだけでも大変である。道ゆく就活生達が悲痛な顔をしている所以、その一つはここにあるのではないかとすら思う。つまり猫を被るという行為は、諸刃の剣。人はこれらの能力を鍛え使いこなせない限り、猫を被ることによって逆に自らを追い詰めることになりかねない。

では、とあなたは言う。

では、猫を被らなければ良いではないか。

ありのままで、ぶつかってゆけば良いではないか。レリゴー。

あなたは、私の話を聞いていない。私という人間に根付いた救いようのない愚かさを理解していない。つまり、それでも私は、猫を被りたいのである。美しい猫、面白い猫、かっこいい猫、知的な猫を被り、それらの恩恵にあやかりたいのである。自分に自信を持て。自分を認めろ。生きろ、そなたは美しいなどとあなたは言うが、そう言われてできるものなら、我々はこの悲劇のループからはとうに解放されている筈であるし、私だって24にもなって、初対面の方々に突然猫について捲したてるような人間になっていない。

猫を被りたい。猫の手も借りたい。

これが私だ。猫、被らせてくれや!

だって折角の初投稿なのだから、何かいい感じの自己紹介をしたい。人間だもの、できたら初対面の相手には、できるだけ良い印象を与えておきたい。仕方ないやん、それは人情というものやん。でもここで、あまりに有り触れた問題が浮上してくる。(有り触れた問題ほど深刻な問題はない)

自己紹介は、苦手だ。

“Re:Re:Re:生きるために、書く” への5件の返信

  1. なるほど、実は何も語っていない文章ですね。萌ちゃんの人柄もまだつかめません。今後が楽しみだなあ。

    1. すみません、とりあえずどーでもいい事にくどいんやな、と思っていただければ幸いです 笑
      読んでくださってありがとうございます^^

  2. はじめまして、ななこです。
    ラップみたいな自己紹介ですね、仲間が増えて嬉しいです。
    わたしはその人が被る猫も服装も髪型もその人の一部だとみなすので、むしろ猫を被らない人間が怖いです。吉田くんとか。吉田くんとか。

    1. ななこさんありがとう、よろしくです。^^
      猫を被らない人間は、私にとっても脅威です。吉田くんはTPOに合わせるということなので、ひとまず怖がらないでおきます。笑

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