子守唄(意味のないこと)

***[記録]***

“Sleep happens to you.

It’s not a failure if you can’t.

In any case, you will at some point fall.

You’ll let go, and you’ll forget where you are.

「私がさびしいときに、仏さまはさびしいの 」

ーAl mar donde ni la luz ni la oscuridad pueden llegar. Al agujero donde ni el recuerdo ni el premonición llegan. でもあの子がさびしかったときに、ーCierren los ojos y cae de cabeza. Que tengan buena noche.ー ほんとうに仏さま、さびしかった?ー

******

 

光も闇も届かない海へ

記憶も予感も届かない穴へ

目を閉じ健やかに落ちていく

たったそれだけの術を忘れて

朝も昼も夜も訪ねてこない陰鬱のなかを

ぬらぬら揺れる

見えない蜘蛛の巣にかかったように過ごしていた頃

例えばジェイムス・ブレイクの子守唄は

ぼんやりと側に聴こえていた

横になって目を瞑って

眠りに落ちる

その真似事をする

緩やかに収縮するコードに合わせて

頭の中でジムノペディを流して遊ぶ

穏やかな眠りに包まれている世界で

たった1人自分だけ

目を覚ましている感覚

それはとても苦しくてさびしくて

そして救いようがなく安らかだった

 

水際で

 

僕はいつでも

慰めを見つけてしまう

自分の中に

.

.

午前6時

ふと耳にした音楽の美しさを

今日は1日引きずって過ごした

.

.

僕が見ていたものに意味などない

今でも時折

頭の後ろで

ゴルフパターをスイングする人がいる

今でも時折

背中へ向かって

車はまっすぐ迫ってくる

(床に林檎が落ちる音がしても

あなたは決して、振り返りませんように)

 

けれど僕は、それでもまた

思い出したな

健やかに手放し、落ちていく方法

 

気楽なことだ

忘れたいことは忘れられないこと

忘れたくないことはいつか忘れること

脳味噌の皮のシルクプリント

 

(おやすみなさい、よい夜を。)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。