着たくないけど、毎日着ちゃう服。

こんにちは、よしだじゅんやです。

さっそく今回のお題「私は、普段着たい服」について話をしよう。大事なのは、この質問は「好きな服を教えて」じゃないことだ。あくまで「普段」着たい服なのである。

服をきる理由や意義は多様で、ほんとうに多様な分野の研究者がそれについて論じている。
小難しいことを言う人は「服は身体の拡張である」という論や「不確実な身体を規定するもの」なんていう。例えば服装は社会的な属性をしめす。服を観れば看護婦かパンクロッカーの違いはよくわかる。服によって人からの印象を変えてしまうことができる。じっさい普段服を買わない人が「服ってなんだかよくわからんな」と感じるのはこの分野だろう。

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この辺りは、この本を読むとなんとなくわかる。イッセイミヤケとか川久保玲さんのプレタポルテ(既成服)の記述が豊富で面白い。

でだ、僕が「普段着たい服」というのは思想的なものから離れて、もっと実用的な側面の服である。「これめっちゃあったかいじゃん」とか「肌触りが心地いい」とかそういう話。僕は他人とかの目をとっぱらったとき、人は自然にどんな服を選ぶのかを知りたい。そこにその人らしさが溢れているような気がする。

ここで、ひとつ問題がある。「着たい」と思う服ってある?もちろん僕にはあるのだけど、あやべとか「着たい」と思って服をかったり着たりしないでしょう。西武百貨店の有名なコピーに「欲しいものが、欲しいわ」というものがある。当時はやっていた「これ、売れてます」という商品コピーを踏まえて、「本当に自分の欲しいものを買おうよ」と問題を定義したのだ。そして、「これ、売れています」は現代に続く、最高のコピーライトになった。「欲しいものが、欲しいわ」をちゃんと覚えているひとなんていない。誰も、自分の意志では商品をかわなくなったのだ。当然、服もそうなのだろう。売れているから、買うのだ。

そんな人におすすめのブランドを紹介したい。「着たくないのに、毎日着ちゃう服」を知っているだろうか。つまり「着たいとは思わないけど」気づいたら着ているというコンセプトの服だ。この服は「ALLYOURS」というブランドが制作している。(全商品をクラウドファウンディングで資金調達をして制作し、パトロンにリターンとして開発製品を渡すとというスタイルのまったく新しいビジネスモデルの服屋だ。実際のところ、今までのブランドがしてきたように借金をして服を作り、それを売って利益を得るというしくみとたいしてやってることは変わらないのだが、クラファンという形をとることで、客から共犯者という位置づけに変化させ、生産量も把握できるのでストックも生まれない。というまじでスマートなビジネスをしている。かっこよすぎる。今調べたら、今までのトータル支援額が5千万に達していた。)
そこが、「さよならジーパン」とか「着る毛布」とかを販売している。きっとたいしてかつこいいわけではないけれど、ずっと着ていたくなる。そんな服を作っている人がいるのはとても嬉しくならない?名古屋に社長が来た時一瞬で会いにいってしまった。

別に人の目を気にして服を選ばなくていい。それよりも「なんか着ちゃう」を大事にしてほしい。そして「できたらなんで着ちゃうんだろう」を考えてほしい。それは素材の問題か?デザインの問題か?

僕の場合はTime for livingの紺色のパーカーと、ZOZOのジーパンを週に3日は着ています。僕と会う人はああ、あの服装ねとわかると思う。まじで同じ服ばかり着ている。理由は、「着ていて気持ちがいい」からです。ゆったりとしてかつこしがある形や素材で、かつデザインが飽きない。それに僕はインディゴ染めが死ぬほど好きだ。パーカーはインディゴではないのだが、白色の下地に粗目の生地を重ねることで、伸縮とともにインディゴ染め特有の芯の白さに似たものが現れる。それがたまらない。毎日身にまといたくなる。話し出すときりがないからこんなもんにしよう。

今日も読んでくれてありがとう。自分に正直に服を着ような。悪くないから。

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