ーーー少女は詠うらしい。
憂鬱とかいう言葉が似合う混濁な曇天
いつ泣き出すか分からない赤ん坊のように
少女はひとり、空と一緒に泣いた
この世界はどうも分かり合えないみたいで
性別が違うとか
言語が違うとか
人種が違うとか
私が可笑しいとか
些細な異端で人は蔑むんだ
RainGirl 雨に打たれて
色とりどりの虹を世界は許さない
退屈な日常を洗い流すような集中豪雨
笑っちゃうほど正しい世界は雨に悪を付けた
少女はひとり、悪天候と同じ
この世界はどうも白黒を付けたいようで
そうだ天候に悪を
そうだ趣味に悪を
そうだ影響に悪を
私に悪を付けようと
些細な理由で人は裁くんだ
RainGirl 人に流されて
多数派が勝つ世界に少女は死ぬ
遠い世界に生まれた少女は
中途半端な異端児として蔑まれ
害のある悪として身体を拘束される
中途半端なのは異端なのは
害があるのは悪なのは
平和ボケしている世界の方なのでは?
RainGirl 雨に歌おう
いつか空に現れる虹のために
RainGirl 人に詠おう
白黒から七色に変わる日まで