渡泰

わたしの初海外デビューは大学一年生の2月に行ったタイだった。完全に貧乏旅で、バックパックひとつだけで安いゲストハウスを渡り歩いた。

水しかでないちょろちょろシャワーなんて当たり前だったし、なんなら何かのシミがびっしりこびりついたシーツを平気で使ったものだ。エアコンや扇風機はもちろんなかったので、35度以上あった室内でうなされながら寝る日々だった。その日々はわたしの見た目もズボラに変えた。朝起きてお化粧したくても洗面台なんてないし、シャワーで顔を洗うしかなかったからね。

毎日寝癖のついた頭に帽子をかぶって、現地で買ったビーサンを履いてバナナをかじりながら外を歩いた。深夜2時頃の路地道でマリファナの売人とおしゃべりしたり、屋台のカフェで氷を食べてサルモネラに感染したり、現地人と自家製の何が入ってるかわからないワインもどきでアルコール勝負したり。いろいろ大胆にやったものだ。なにも怖くなかったなあ。

 

そんな思い出たっぷりのタイに、実は明日からまた行くことになった。

卒業旅行にはいろいろ誘われた。アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、沖縄、グアム。いろいろ誘われたけれど、わたしはタイにいきたかった。わたしの初海外デビューを飾ったタイになんとなく行きたかった。

3年前の自分が「これがタイかあ!」なんてウキウキしながら歩いたマーケットにもういちどいくし、初めて触った日本以外の通貨”バーツ”ももういちど握りしめる。でこぼこ道だからキャリーバッグじゃないほうがいいことも知っているし、ぼったくりタクシーの見分け方も覚えた。だからわたしはもういちどタイへ行く。

「はじめまして」のタイと「なつかしいなあ」のタイ、両方を知っていたい。

 

というわけで、たぶん一週間ぐらいダーリンの更新は滞ります。できれば更新します。生きてるからね。

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