I’m old fashioned.

I’m old fashioned, I love the moonlight
I love the old fashioned things
The sound of rain upon my window pane
The starry song that April sings
This years fancies are passing fancies
But sighing sighs, holding hands
These my heart understands
I’m old fashioned but I don’t mind it
That’s how I want to be
As long as you agree
To stay old fashioned with me.

This years fancies are passing fancies
But sighing sighs, holding hands
these my heart understands
I’m old fashioned but I don’t mind it
That’s how I want to be
As long as you agree
To stay old fashioned with me

ジャズバーでぼんやりと訊いていたら、うっかり感動して泣いてしまった曲。当日は地元のジャズボーカル教室の発表会で、おっさんおばさんが一曲ずつ課題曲を歌いあげていった。およそ聞けたもんじゃなくて、僕は適度にお客さんの注文を受けつつ、スマホで本を読んでいた。

この曲は、70代ぐらいの細身で長身な男性が歌った。いかにも神経質そうな男性で、昼食時にえびとマッシュルームのアヒージョとバケットを頼むと、検査でもするいたいにバケットとアヒージョの具をながめて交互に食べていた。器のなかに一つだけミニトマトを残してして、僕は彼の器を回収する機会を遠くから終始うかがっていたのだ。

休憩のたびに、彼は眼鏡をかけると、手元に楽譜を用意してじっと眺めていた。思いついたようにペンで楽譜に何かを書き込んだりもしていた。彼は最後までミニトマトを食べる気配はなかった。

彼の番がまわってきて、細々と歌い始めたのが「I’m old fashioned」だった。原曲よりアップテンポでやけに景気がいい「I’m old fashioned」だったのだが、本人はついていけずにずいぶん苦しそうだった。けれど、必死に伴奏にしがみついて歌う姿に僕はスマホの画面から視線を彼に投げずにいられなかった。なぜ神経質そうな彼がこの曲を選んだのか、そうして意図的にアップテンポにしたのか、必死にくらいついて歌うのはなぜか。彼にとっての「as long as you agree」は誰なんだろうかと考えていたら、僕は他人事とは思えなくなってしまったのだ。

I’m old fashioned but I don’t mind it

僕も彼も、「俺はold fashionedだ!」と胸をはって生きたい。けれど気にしないことなんて無理なんだ。どれだけ自分で言い聞かせても、人の顔を伺ってしまう自分がいるし、不安を覚えない日はない。この曲は、良い大人が、弱い自分をひたすら奮い立たせるための曲なのだ。

That’s how I want to be
As long as you agree
To stay old fashioned with me

こんなん泣いてしまうやろ。僕もいつも自分を奮い立たせている。おっさん、あんたもいい年してなかなかつれえなあ。

今日も読んでくれてありがとう。強がりじゃなく、I dont mind itって言える日が来るかなあ。なあ、おっさん。

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