流れに引っかかる

宮崎に行くんだっていうのに、間違えて熊本行きの飛行機を予約しちゃった。なぜか熊本に行くと思い込んでいたんだよね。

仕方がないので熊本まで行ってそこから陸路で宮崎に向かう。集合時間には2時間くらい遅れてしまうけど、いいや。のんびり行こう。

予定通りに事が進まないときはその分深く息をできるのだと考えよう。熊本を経由する間の時間と距離だけ、本来の予定から自由なすきまができたんだ。満喫しなければ損じゃない?そのすきまを。
息を吸って、吐いて、余分な力を抜くと熊本へ向かう流れに身を任せた。

日々の生活でもうっかりやっちゃうことってない?
たまにいつもの通学の電車と逆方向に乗ってしまったり、乗るつもりのバスが行ってしまったり、なんて事を。

あ、しまった!
身体中の血の気がざあっと引いて、青くなる一瞬。大事な約束の時間が迫っている時なんか特にね。
それは自分がうっかりしているのが悪い。遅れを取り戻そうと全力を尽くすことは必要だけれど、でもね、心配してもしなくても遅れることに変わりないんだ。

開き直ってしまえばちょっとばかり気が楽になる。

流れに引っかかることには、きっと何か意味があると思うんだ。
本当だったら行くはずのなかった熊本に呼ばれていたのかもしれない、なんてね。

本当に余裕のないときこそ、落ち着いて余裕を持っていたい。うっかりしちゃったその時間も貴重な人生の時間の一部であるはずだから。

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