ненный Павло

I allowed me to fall asleep again.

起きたいのに起きれなくて、あがいていたら、よくわからない夢を見た。

私は妹と同じ部屋で寝起きしている。アンティークな真紅の絨毯と磨き込まれた木の壁。階段も同じ。

ここは誰の家なのか。一瞬不思議に思うも、答えは頭の中にあった。
ここが新しい自分の家。手頃なお屋敷を買い取って、ロシアでホステルを経営することになったと思い出した。

いいけど、赤い絨毯の部屋で暮らすのって落ち着かないな。

そうだ。お客さんに事件の聞き取りをしなくては。
私は階段を降りてロビーに向かった。

ホステルのお客さんは朝が遅めなのか、誰もいない。代わりに大学入試の赤本が壁一面に並べてあった。
よく見ると、赤本じゃない。タイトルが、ロシア語と日本語で書かれている。

シリーズ物のファンタジーだったと思う。夢の中で見たはずのタイトルは、目が覚めて、記憶から薄れて消えてしまった。

否定の「否」と、「パブロ」という人名だけは脳裏に焼き付いている。ちゃんとロシア語も読めたんだって。
ненный と Павло 。

今、ロシア語辞書で調べたら、ненный なんて単語は存在しないと知った。私の頭が勝手に作ったようだ。
パブロもきっとない。ロシア人なら Павел パーヴェルじゃないか。

私の家がロシアだったらいいのに。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。