Дождевик

雨の日の日曜日の朝早く、お客さんは少なかった。静かなお店の中で、私ははたき片手に商品を並べ直す。まるで嵐の後だ。お菓子の棚は見事なまでにぐちゃぐちゃになっていた。昨日のあの忙しさを思えば、無理もない。
パートさんが「夜勤さん仕事してない。遊んでるんじゃないの」とぼやいてる。

商品が売れてできたへこみをきれいに詰めていく。普段はさっさかさーと済ませてしまう前陳だけど、今日はなかなか終わらない。やっとこさ1段目がきれいになって、2段目へ。しゃがんだ姿勢から立ち上がった時、立ちくらみに襲われた。

「かっぱはどこにありますか?」
お客さんから声をかけられた。
「かっぱ?」
私は聞き返す。かっぱえびせんのことを聞かれたのかと一瞬思った。
いや違う、レインコートだった。

窓ガラスは湿気で白く曇っている。外を見るまでもなく、雨が降り続いているのがわかった。今日は一日雨。今週はずっと雨。
もしかしたら日本人が勤勉なのは、むしむしじめじめした気候のせいではないだろうか。この蒸し暑さの中、何もせずにじっとしていたら気が滅入ってしまいそう。目の前の仕事に集中するのは、憂鬱をやり過ごすための一つの方法かもしれない。

そのうちに、いつの間にか雨がやむ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。