Моя бабушка

駅の階段を下りていた時、ふと壁の張り紙が気になって、足元がお留守になっていた。最後の一段を踏み外した。

階段に座りこむ。顔を上げると張り紙が読めた。「愛教大行きのバスは北改札口から出ています」
そんな張り紙なんてもはやどうでもよくて、とにかくいたい。左足首がめちゃめちゃ痛い。

頭の中に浮かんでくるのは、最近読んだ小説、『二十四の瞳』。転んでアキレス腱を切った主人公は、何ヶ月も仕事に復帰できずにいた。
不安がむくむく湧き上がる。ちょっと転んだだけなのに、もし、そんな大怪我だったら…?

運良く、私のアキレス腱は無事だったようだ。しばらくしてなんとか立ちあがることに成功した。自力で家まで帰り着いた。

それが2日前の夜のこと。

バイトの後、お昼寝しようと思ったけど、2階の部屋は暑すぎた。サウナみたい。ばーちゃんの家の居間に避難した。ここは涼しい快適だ。

ばーちゃんは私の弱音をきいてくれた。
はれてるね。どこでやったの?階段?一番下の段のとこ?
私もね、前になったことあるの。こう、ぷくーとはれてね…。痛いでしょう?

全然痛くないよ。と言いながら、私はなぜか涙が出そうになってくる。ほんとに痛くないのに。泣くなよ。

突然の怪我が、思った以上にショックだったのか。捻挫なんてこれまで一度もなかったんだ。

ばーちゃんは世話焼きでお節介で心配性で、素直でない私は余計なお世話だ、と突っぱねてしまう。
いくら私が強がってみても、ばーちゃんのお節介は治らなかった。今日もいつもと変わらない優しさで、湿布を貼るといいよとすすめる。そんなばーちゃんを前にしていると、普段人前でぎゅっとこらえている私の心がゆるんでいく。

なぜ、こんなに優しいの?

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