帰省のお昼ご飯

大学一年生のとき,これから名古屋で暮らしていくのだからと名古屋飯を食べてみることにした.まだそこまで名古屋を知らなかったので,【名古屋飯 美味しい】とかで検索し片っ端から名古屋飯を食べていった.

あらかた名古屋飯を食べつくし,次はきしめんの番になった.きしめんとは平べったいうどんみたいな麺類の一種である.

【きしめん 美味しい】で検索エンジンに打ち込む.

検索エンジンからは名古屋駅:新幹線ホームとの回答が返ってきた.

 

かなり面食らってしまった.大抵は古くからやっているお店が出てくるものだ.新幹線ホームという限られたスペース,お客さんも急いでいるため手の込んだものは出せない.

その制約をものともしないきしめんとは一体何なのだろう.興味がふつふつとわいてきた.が,しかし,きしめんのために新幹線ホームまで入場するのはさすがに…という気分にもなり後回しになってしまう.

 

結局,僕がそのきしめんを食べる機会を得たのは約半年後,冬に帰省するときだった.

昼下がり,新幹線ホームに到着すると真っ先にきしめん屋さんを探した.かなり歩いたホームの先にきしめん屋住吉があった.外に券売機があるオーソドックスな立ち食いスタイルのお店だ.

ホームの外れにあるにも関わらずサラリーマンでごった返していた.俄然期待が高まる.券売機の列に並びきしめんを選択する.その時は一番スタンダードなきしめんを選択した.

 

店内はせかせかしたサラリーマンがいっぱいでどこか殺伐としている.ちんたら食べるのが許されない雰囲気だ.紙コップに入った水を飲みながらきしめんが出てくるのをまった.30秒ほどで提供された.あっという間だった.

 

出てきたきしめんにはトッピングに刻んだネギと厚切りのかつおぶしがのっている.トッピングを丼の端によけて一口目をすすった.

きしめんは平べったいにも関らず相当な弾力で歯を押し返してきた.濃い目のつゆは甘辛くだしがしっかりと効いている.冬の寒さも相まって一気に麺を頬張った.

きしめん,期待のはるか上をいっていた.

それ以来帰省の時のお昼ご飯は名古屋駅の新幹線ホームできしめんを食べることになっている.

 

名古屋駅で新幹線に乗る際は皆様もぜひきしめんを.

 

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