レモンのすきなところ100

心の準備って、どうやってしたらいいのかな。

1 毛色。
クリーム色というには濃すぎるけど、茶色よりも黄色っぽい。レモンの色。

2 全身毛だらけ。
黒い服を着て抱っこするとこっちまで毛だらけ。

3 耳の毛が一番柔らかい。
レモンの耳よりも気持ちがいいものを私は知らない。

4 胸の毛。
あごの下、前足の上の毛がくるくるしててかわいい。

5 頭の毛。
みんなが撫でるから、頭がつやつや。

6 首の後ろ。
たてがみみたいに、ちょっとこわい毛が生えている。

7 ブラッシング。
レモン専用の白いプラスチックのくしがある。1回のブラッシングで500円玉大くらいの毛玉がとれる。抜け毛の季節にはもっと大きくなるかな。

8 胴長短足。
抱っこされたくない時はにょろっと逃げていく。

9 歩き方。
短い足をせっせと動かして、ちょこまか歩く。意外と早い。

10 足の裏。
黒い肉球がかわいい。干し草みたいな匂いがする。
アスファルトの上をたくさん歩くとざらざらする。

11 レモン指。
ペットショップから連れて帰る日、店員さんが気づいて言った。「この子、右の後ろ足の指が1本多い」
4本指の足の、足首あたりに桜の蕾のようにぽちりと5本目の指がついている。私と妹と従兄弟たちの間でそれは「レモン指」と呼ばれていた。

12 鼻。
鼻先が冷たい。
キツネみたいに長い鼻。触ると嫌がる。
怒るとしわしわになる。でも、その顔が見たくて。

13 あご。
ワニみたい。あくびをするとずらりと並んだ歯が見える。

14 唇。
黒くてぷにぷにしてる。

15 ひげ。
鼻の脇、頬、あごの下に生えている。時々抜けたひげが落ちているのを発見する。他の毛よりも太いからわかる。
生えているひげを引っ張ると嫌がる。

16 まゆげ。
ぎょろぎょろ動く。指でぐりぐりしたくなる。

17 困ったような顔。
に見えるけど、ほんとは何を思っていたんだろう。

18 目の形。
三角でも丸でもない、美しい形をしている。正レモン形と名付けよう。測ったことはないけれど、なんらかの黄金比があるに違いない。

19 目の色。
真っ黒ではない、澄んだ色。

20 瞬き。
私がウインクの練習をしていると、瞬き返してくれる。

21 まつげ。
美犬の条件だよね!端にいくほど長い。

22 しっぽ。
本当は旗みたいに立派なフサフサしっぽのはずなんだけど、小さい子が使った後の筆みたいにボサボサ。いじけて自分の毛を噛みちぎってしまうから。

23 いじける。
構ってくれる人がいない時や留守番させられた後なんかに、よくしっぽをかじっている。レモンにもむしゃくしゃする時があるんだなって思う。

24 留守番が嫌い。
家にレモンがひとりになる時は、マットを置いた周りをサークルで囲ってそこに入ってもらう。おやつを持ってサークルに入れると、レモンは素直に入ってくれる。
ヘソを曲げるのはみんなが帰ってきてサークルから出してもらえる時。自分のしっぽを追いかけてぐるぐる。しばらくいじけてる。

25 抱っこしようとすると逃げていく。
でも自分が構って欲しい時は寄ってくる。猫みたいなやつ。

26 散歩から帰って足を拭く時。
雑巾を濡らして小さな足をひとつひとつぬぐっていく。地面が湿っている時は茶色のどろんこ、からりと乾いた日は細かい土埃で灰色に汚れている。草の種をくっつけている時は毛が抜けないように気をつけて取ってあげる。
外の匂いと暑さ寒さを身にまとったまま、足を拭く束の間、膝の上でレモンはじっとしている。「はい、いいよ」と離してあげると、ブルっとひとつ身震いをして再び動き出す。

27 全然歩かない。
「散歩」と聞くと喜んで、リードを引っ掛けてあるところまで走って行って、「行こう行こう」という顔をするくせに、外に出ると足が重くなる。
こっちの草むらをふんふん、あっちの電柱をふんふん。ずっと一ヶ所に止まっている。引っ張ると、足を踏ん張って抵抗する。散歩にならないよう。

28 散歩中、他の犬に会った時。
200メートルぐらい遠くに離れている時から、レモンはぴたりと足を止める。鼻をひくひく。向こうからやってくる犬を凝視して動かない。リードを引っ張っても、うんともすんとも動かない。
他の犬が怖いせいというよりも、緊張しちゃうんだと思うな。他の犬のことが気になって気になってしょうがないんだけど、自分からは動けない。そういう気持ち、私にもよくわかるよ。仲良くなりたいのに自分から話しかけるの苦手だもん。

29 散歩中、行き会った時。
学校の帰りやバイトの帰りに時々あった。向こうから母とレモンが歩いてくる。
「レモン!」と声をかけると、レモンは足を止める。あれは誰かと確かめるように。私だとわかると走ってくる。
でも手を差し出すと避けていくんだよね。嬉しそうに駆け寄ってきたくせに、なんだよー。

30 風が強い日。
風の音が怖いのか砂埃が嫌なのか、いつも以上に歩かない。抱っこをせがんでくる。
風で耳がひらひら揺れている。

31 体重を測る。
体重計の上でじっとしてくれないので、「レモンを抱き抱えた体重一自分の体重」を計算して計る。
久しぶりに抱っこしてあれ、こんなに軽かったかとびっくりする。一時誰かおやつをあげすぎて5キロを超えた体重が、4.2キロまで減ってしまった。

32 お昼寝。
いないなあと思ってあちこち部屋を探すと、窓際のカーテンの陰で寝ている。
夏は床に仰向けでお腹を出して、冬は毛布の上で丸くなって眠る。よく寝てる。

33 暑い時。
床にぺたりとお腹をくっつけてぐったりしている。茶色のフローリングと同じ色だから、ヒラメみたい。

34 シャンプー。
多くの犬がそうであるようにレモンもシャンプーは苦手。それでも我慢してじっとしている。時々ブルブルして水と泡を跳ね飛ばしてくる。
シャワーでお湯をかけると、毛がぺったり体にくっついていつもよりスリムに見える。タオルで拭いた後、ドライヤーで乾かす。全てが終わるとまたブルブル。解放されて嬉しそうに去っていく。

35 犬の足マッサージ。
何かの拍子にレモンに踏まれることがある。案外気持ちいい。でも顔はやめて欲しい。

36 家に帰ってくると出迎えてくれる。
しっぽを振って喜んで駆け寄ってくるから、帰ってきてよかったとこっちまで嬉しくなるんだよね。

37 わんわんクラブ。
3か月に1回ぐらい、プロのトリマーさんに毛を切ってもらう。シャンプーもやってくれる。帰ってくると毛がサラサラ。
クリスマスやハロウィンには被り物をして写真を撮るサービスをやってくれるんだけど、パンダ帽子とかハロウィンマントを被ったレモンはいつも変な顔をして写ってる。

38 絶対カメラを見ない。
シャッターを押す瞬間、動く。ぷいっ。全然違う方を向く。
何度撮り直してもこうだから、わざとやってるのかと疑いたくなる。

39 動物病院。
春になると予防注射とフィラリアの薬をもらいに病院に行く。動物病院に入るとレモンはおとなしい。「大丈夫だよ」と言っても、可哀想なくらいぶるぶる震えてる。

40 誕生日が5月28日。
母の2日後、レモンの誕生日がくる。スペシャルごはんでお祝いする。だけど忘れられることもある。
「おめでとう」がなくても、本人(犬)は涼しい顔をしている。

41 スペシャルごはん。
味噌汁を作った日は出汁をとったかつおぶし。ブロッコリーを茹でたらその切れ端。焼肉の日は肉(ちょこっと)。
いつものドッグフードにトッピングして出してあげると、レモンは喜んで食べる。ほとんど噛まない。早食い。

42 水を飲む音。
水を入れたペットボトルに飲み口がついていて、犬が舌で舐めると水が出てくる仕組みになっている。レモンが水を飲んでいる間、音が聞こえてくる。トクトクトクトクトク。
あ、飲んでるなと思う。
ぜんくんがきてからは器で水をあげるようになった。レモンはちょくちょく飲むけれど、ぜんくんはあまり飲まない。

43 足音。
畳の上を歩くと、ざっざっ。
フローリングの床を歩くと、ちゃっちゃか。
トイレか水を飲みにいく時は、ゆったりしたリズムで爪が鳴る。
走る時はダダダダッ!小さいのに力強い足音。

44 やかんが沸いたら教えてくれる。
レモンは聴導犬ではないけれど、覚えてくれた。やかんがピーと鳴ったらおやつをもらえる。別の部屋にいてもやかんの音がするとすっ飛んでくるようになった。
でもまだ鳴る前から飛びついてくることもある。気が早い。

45 玄関チャイムの音が聞こえると走っていく。
チャイムの音は教えたわけではなくて、レモンが勝手にやっている。他のうちの犬もそうだけど、知らない人が来ると気になる。
知っているお客さんにはしっぽを振って近づいていく。知らない人だと、相手の出方を待つ。

46 胴震いすると機嫌が良くなる。
耳がパタパタ音を立てる。それからまた歩き出す。上機嫌に尻尾を揺らして。

47 かゆい時。
前足で耳をごしごし。脇腹は口を使ってはみはみ。背中がかゆい時は仰向けに寝転がってぐねぐねしてる。

48 雷が苦手。
ゴロゴロ、ドカーン。レモンは雷が苦手だ。しっぽを足の間に隠して、ガタガタ震えて怖がる。誰か人のそばにぴったりくっついて、膝の上によじ登ってくる。

49 料理をしていると寄ってくる。
足元をうろちょろするから時々踏んでしまう。何か美味しいものが落っこちてこないかと期待しているのだろうけど、逆に踏まれて損をしているのでは?

50 ぷしゅん。
かわいいくしゃみ。

【子犬の頃】
51 子犬の顔。
鼻が短くて丸い顔をしてた。胴はその時から長かった。

52 よく遊ぶ。
目の前でロープを振って遊びに誘うと、すぐに乗ってくる。調子に乗りすぎて走り回る。

53 走る。
本当にちょっとしたことで走り出す。意外と速い。

54 引っ張り合い。
ロープやぬいぐるみに噛み付いているレモンと引っ張り合いの遊びをした。ぐいぐい、本気になって引っ張るレモンの顔が面白くて、何度もやったら疲れちゃった。

55 大好きなボール。
ちょうどいい大きさのゴムボールがあった。従兄弟と一緒にドッジボールでよく遊んでいたやつ。
レモンに見せると…
前足をボールに乗せて何時間でもごろごろ転がしてひとりで遊んでいる。大きすぎて口に入らないのに、かじりつこうとする。よだれでべとべと笑

56 嬉しすぎて走り回る。
誰かが帰ってきた時、お客さんが来た時、喜びが止まらなくなって、そこらじゅうを尻に火がついたような勢いで走り回る。子犬の頃は有り余る元気がそのまま喜びの表現になった。

57 猫。
猫を見つけた時のレモンの反応は素早い。今までたらたら歩いていたのは何だったのか。ダッシュで追いかける。
ネコはレモン以上に足が速くてあっという間に姿を消す。置いて行かれたレモンはしっぽを垂らしてまた、たらたら歩き始める。

58 飛びつく。
後ろ足で立って前足で飛びつくと、ちょうど私の膝頭に届く。腰に良くないから本当はやめた方がいいんだけどね。

59 お腹を出してごろーん。
誰にでも腹を見せる人懐こさ。

60 びしびし当たる。
喜んでいる時のしっぽの勢いは痛いくらい。

61 甘がみ。
「おかえり」と出迎えて、私の手を噛んでくる。嬉しいとつい噛みたくなってしまうのか。わかるようなわからないような、犬の気持ち。

62 なんでもかじる。
歯が生え変わる頃。おもちゃだけでなく、椅子の脚や壁までかじる。大人になってからはなくなったけど、一度ついた歯型は今も消えずに残っている。

63 かみかみ。
うっとりした顔でロープを噛むのに夢中になっている。噛み心地がいいのかな。

64 拾ってこない。
「それいけ!」とおもちゃを投げると喜んで追いかけていくんだけど、そのまま戻ってこない。飽きちゃう。追いかけるよりも追いかけられたいタイプなのかも。

65 どーっちだ?
レモンの前にグーの形にした両手を差し出します。一方の手にはおやつを握り、もう一方の手は空っぽです。さあ、どーっちだ?
レモンは前足で引っ掻きます。これがなかなか爪が痛くて。手を開くと、あたりー!
鼻でわかっちゃうんだね。

66 ダンボールガリガリ。
その頃私も子どもだったので、ダンボールをつなぎ合わせて秘密基地を作るのに夢中になっていた。できかけのダンボールハウスにレモンを招待すると、ガリガリガリ!
床を掘ってボロボロにされた。あーあ。

67 階段を上って下りれない。
上るのは大丈夫。前足を上の段にかけ、後ろ足を引き上げる。ぴょんこぴょんこと上っていく。
でも自分では下りれなくて、誰もいない2階にひとりで上っていった後、しばらくして鳴き声が聞こえる。

68 鳴き声に気持ちが表れる。
階段の上から聞こえる鳴き声は困っている。最初は控えめに「きゅーん」、誰も気づいてくれないとだんだん本格的に吠え始める。キャンキャン高い声で哀れっぽく鳴いている。自業自得だよと思うけど、止まらないしゃっくりみたいに変にカンにさわるから、結局迎えにいくことになる。

69 窓の外に向かって吠えている時。
スライド式に開けるキッチンの窓は、ちょうどレモンの鼻の高さで外が見えるようになっている。そこから外を見張っていて、散歩中の犬が通るとレモンは、「う、わ、わ、わ、わ、わ、わん!」
吠えるのに合わせてしっぽがゆらゆら揺れる。
ぷんぷん怒って喧嘩売っているのとは違うと思うんだよね。ちょっぴり居丈高に、でも楽しそうに威張っているからおかしい。犬って無邪気だなと思う瞬間。

70 紅茶クッキー事件。
紅茶クッキーを焼いた後、事件は起こりました。紙を折って作った箱の中に入れてあったのが、ちょっと目を離した隙にすっかり無くなっていたのです。
テーブルから椅子が少し出ていました。足の短い犯人は椅子をよじ登ってテーブルに飛び移って、クッキーを盗み食いしたのでしょう。
同様の手口で秋刀魚を食べられたことがありました。骨も残さずぺろり。クッキーも秋刀魚も、焼いている間あんまりいい匂いで我慢できなくなってしまったんだな。
しかしチョコクッキーでなくてよかった。犬には毒だから。その時からわがやには、椅子にテーブルをきっちりしまうというルールができました。

71 キャベツ大好き。
父がお好み焼きかたこ焼きを作る日、足元には必ずレモンの姿がある。キャベツをざくざく切る音に釣られてやってくる。
トマトよりもきゅうりよりも何よりキャベツが好き。キャベツだったらお茶碗何杯でも食べられるくらい。

72 ヨーグルト。
食べ終わったヨーグルトのカップをレモンがぺろぺろ舐める。洗わなくていいくらい綺麗になる。その代わり、レモンの鼻の頭が白くなるから後でふいてあげないといけない。

73 おねだり。
人間が食事をしている間、犬はおあずけ。椅子によじ登ってきて、「何かもらえないかしら」という顔をする。
私は(レモンのためを思って)厳しいのであげないけれど、父や祖父は甘いからそっちにばかりまとわりついている。

74 ドライブ。
いつもと違うお出かけ。車の中にいる間からそわそわしてる。
窓に鼻をくっつけるので、窓ガラスに白い筋がいくつもついた。

75 モリコロパーク。
家族みんなで遊びに行った。緑の芝生の上を走り回った。
ぽかぽか暖かい春の日だったと思う。レモンはピンクの舌を出して、暑そうだった。クローバーの上に寝転がるとひんやりして気持ちいい。

76 畑。
散歩がてら畑へ、いちごや豆やナスやトマトを取りに行く。野菜を収穫している間、レモンはそのへんのくいに繋がれる。ひとりで草を食べている。むしゃむしゃ。
あんまりほったらかしにするとヘソを曲げるので、早いところ切り上げて散歩の続きに戻る。

【歳をとってから】
77 何歳になってもかわいい。
私が大人になっても、レモンはいつまでも子どものまま、ただ歳をとっていく。目の下がたるんできても、顔の周りの毛が白っぽくなってきても、やっぱりかわいい。

78 よろける。
歩いていて、おっとと。後ろ足がよろける。

79 段差を乗り越えられなくなった。
家の中の段差にはレモン用のスロープがついた。
以前のように、テーブルの上に乗って盗み食いしたり、階段を降りれなくなって泣き喚いたりすることはなくなった。

80 ベビーカーに乗せてお散歩。
颯爽と歩くぜんくんにはとてもついていけないので、公園まで犬用ベビーカーに乗せていく。途中、道がガタガタのところがあって、揺られながら足を踏ん張っている。そんな姿もかわいい。

81 土の地面に降ろすと走ろうとする。
この時ばかりは嬉しそうに、しっぽを上げている。やっぱり自分の足で歩きたいよね。

82 目があまり見えなくなった。
突然顔の前に手を出すとびっくりして避ける。外に連れ出すと、数歩歩くごとに立ちすくんで眩しい光を避けるようにする。

83 耳もあまり聞こえていない。
やかんの音に反応しなくなって、そしたらぜんくんが来てくれた。バトンタッチ。

84 歯が抜ける。
子犬の時もぽろって歯が落ちてたよね。

85 そこら中ぺろぺろ。
歯茎が痛いせいなのか、カーペットやマットを舐めている。ずーっとやってる。

86 よく眠る。
毛布の上ですやすや寝てる。気持ちよさそう。
時々鼻にシワを寄せてふんふん言っているのは、何か怖い夢でも見てるのかな。

87 寝ぼけ眼。
前まではどんなにぐっすり眠っていても、パチリと目を開けてすぐに立ち上がった。
今はなんだか起こすのが可哀想になるくらい、眠たそう。優しく揺さぶると目を開ける。でもなかなか動き出さない。用がないのに起こされたとわかると、すぐにまた眠りの中に戻ってしまう。

88 ぼーっとしてる。
起きている時でさえ、半分眠っているようにぼーっとしていることがある。
後ろから、指でちょんとつつくと振り向く。それがすごくかわいい。

89 寝息。
あまりぐっすり眠っていると息をしていないんじゃないかって心配なんだ。お腹の毛が上下していることを確かめる。
時々鼻が詰まるみたいで「びー、びー」と息をしている。

90 ごはん待ち。
ぜんくんのごはんは早くて、16時ごろには先に食べちゃう。するとレモンもごはんが食べたくて、キッチンに座って動かない。
寒いから暖かい和室に行こうよと声をかけるけど、動かない。

91 やわらかごはん。
お湯でふやかしたドッグフードをあげる。昔はあっという間に食べたものを、ゆっくりゆっくりひと口ずつ食べる。
ごはんが楽しみなのは、今も変わらない。

92 暑さ寒さに弱くなった。
体調が悪いと食べた物を吐いてしまう。
春になって暖かくなってきても、夜中冷えると油断できない。夜中の3時に前足でカリカリやって、起こしにくる。「吐いたよ」「気分が悪いよ」というのを、ちゃんと訴えているのだ。
私がお世話しているわけではないけれど、実家に帰ると母がレモンの様子を聞かせてくれる。

93 覚えていてくれる。
私が時々帰ってくると嬉しそうにする。若い頃と比べて勢いは落ちるけど、ゆさゆさしっぽを揺らして出迎えてくれる。
見えなくなっても聞こえなくなっても忘れないでね、私のこと。ずっとずっと私も覚えているから。

94 ぜんくんとくっついて寝る。
本当は、ぜんくんはレモンが近づきすぎるのが好きではないみたい。
ある時、背中と背中をくっつけて寝ていて、その時の写真を珍しいねと母が送ってくれた。

95 「あんたが一番だよ」
と言って父はレモンを可愛がる。毎日毎日やってる。
ところがぜんくんが来ると、今度はぜんくんに言うのだ。「あんたが一番だよ」
あれ、レモンが一番じゃなかったの?

96 毛がボサボサ。
冬の間は寒くて風邪をひいてはいけないから、なかなか毛を洗ってあげられない。放っておくともつれて毛玉ができる。
ハサミでちょきちょき切ってあげた。

97 もふもふ頭。
人が老いると毛が少なくなるものだけど、レモンの場合はそうではない。なでまわす人が少なくなったせいなのか、頭の毛が立ってきた。ぬいぐるみみたいにもふもふ。

98 服。
冬は服を着ている。外に出る時はフリースのもこもこの服。白地に赤色の北欧風模様が入っている。室内では、ピンクとグレーの縞々。キュート。

99 長生きしてくれる。
会った時に元気でいてくれるのが、なによりも嬉しい。まだまだ一緒にいたいなんて私が思ってるから、こんなに頑張ってくれるのかな、なんて思う。
働いていなくても、人に世話してもらうばかりでも、いつだって犬は一生懸命に生きている。

100 いい子。
散歩用の服を着る時、胴輪をつける時、足をしゅっと伸ばして穴に通してくれる。抱っこするよと声をかけるとちゃんとわかっていて、抱き上げやすいように背中を丸める。
そうすると私も優しくしてあげなきゃって思うんだよね。歳をとったレモンの体がなるべくつらくないように、って。

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