鉄とビタミンD

今日は買い物に行っていないので冷蔵庫の中には野菜しかない。ピーマン、ミニトマト、きゅうり、オクラ。タンパク質は豆腐とツナ缶がある。
よし、決定。オクラと豆腐は味噌汁、あとの野菜でツナサラダ。キクラゲも加えて中華風にしよう。
お医者さんに見せたら花丸をもらえそうなメニューじゃないか?ツナの鉄分、ピーマンのビタミンC、キクラゲのビタミンDを摂れる。
ところが、蓋を開けてみるとツナ缶1個に含まれる鉄分は0.4mg。一日の必要摂取量の10mgには全然足りないことがわかった。難しいな。乾燥キクラゲひとつまみにはどれくらいビタミンDが含まれるのか?さあ?少なくともゼロでなければ摂ったことにはなるだろう。

肌が弱いのは、目の色や髪の色と同様、体質だから仕方ない。そう思っていた。冬は乾燥、夏はあせも、秋と春は寒暖差。一年中かゆみに付き纏われている。皮膚科でもらった塗り薬を塗っている間は落ち着くが、薬なしでは手足がぶつぶつになって夜も眠れない。
引越ししてから初めて行く病院でアトピーの症状を相談したら、採血することになった。皮膚の痒みの原因を血液検査で調べるという。
おや。この病院は今まで通ってきた皮膚科とは一味違うぞ。
採血の結果が出た後、お医者さんがいうには、
「鉄分とビタミンDが足りないですね」
衝撃だった。栄養に気をつければ治せるかもしれない。目の前に新しい道が開けてきたような感覚。
鉄分が足りないのはともかく、ビタミンDの方は意外だった。日光に当たると体内でビタミンDが生成されるはずだ。犬を散歩させないとビタミンD不足になってしまう、と犬の飼い方の本に書いてあったが、人間の体もビタミンDを作れるらしい。
毎日自転車で走っていてもビタミンDは足りなくなるのか。下は長ズボン、腕はアームカバーとグローブに覆われているし、顔には日焼け止めを塗るので日光の入り込む隙がないのかもしれない。その割には日焼けしてるけどな。
血液検査でビタミンD不足という事実を突きつけられた以上、食事で補うしかない。
以来、毎日鉄分とビタミンD、加えて鉄分の吸収を助けるビタミンCを積極的に摂るようにしている。「自転車に乗るな」とは忠告されなかったので、相変わらず自転車通勤は続けている。

午後から出勤の時、自転車を走らせるのはかなり消耗する。日陰はどこにもなく、頭上からジリジリと日が照り付ける。草いきれがむわっと熱い。呼吸が苦しい。涼しい時間帯はもっと楽に漕げるのに。真昼の暑さは悪夢のように付きまとう。走っても走っても暑さから逃げられない。
立ち止まると全身から汗が吹き出す。走り続けていたほうがまだマシだ。信号待ちのわずかな間にサドルがあちあちになってしまうので手でカバーしておく。ママチャリならサドルに座って待っていてもいいんだけど、クロスバイクはサドルが高いので座ったまま止まるのが難しい。
それでも自転車に乗りたいなんて、どうかしてるよね。暑くても汗びしょびしょになっても、風を感じながら走る自由は捨てがたい。

Q. 気温35℃の中、自転車で50分間、13km走った後、失われた栄養を補給するためには何をどれだけ食べれば良いか。
汗と一緒にミネラルや鉄分が失われるので、水分だけでなく失った栄養も補給しなければいけない。栄養士さんとかアスリートを補佐するトレーナーさんみたいな職業になったら、「どの栄養をどれくらい摂るべし」というのを計算して出すのだろうけど、私はそんな面倒なことをしていられない。
その時その時の冷蔵庫事情というものもある。夏はゴーヤ、トマト、きゅうり、ナス、オクラ、ピーマンといった野菜が畑でごろごろ取れるのでそいつらを料理してあげたい。
AIに聞けばいい?「冷蔵庫にある食材を使って一日に必要な鉄分とビタミンDを摂れるメニューを考えて」って。うーん、、、自分で考えるからこそ料理は楽しいんじゃないの。
かといって、難しいことはあまり考えたくない。食事に取り入れるだけでは足りなさそうだなと思ったら、ドリンクや栄養バーで摂る。鉄分とビタミンDが摂れるのココアの粉を買ってきて、毎日牛乳に混ぜて飲んでいる。こういうものは栄養成分表示があるのでその日どれくらい摂ったか確認できる。
でも、実際どれくらい排出されているのか?汗をかくと鉄分は失われる。結局、素人は足りているのか足りていないのかわからないまま、なるべく食べるよう心がけることしかできないのだ。
一つ良かったことは、立ちくらみすることが減ったことだ。畑でしゃがんで草取りをする時、立ち上がってもくらっとくることはなくなった。でも、自転車で走った直後はふらふらするのでまだまだ鉄分が足りてないのかもしれない。

肝心の肌の痒みは相変わらずだ。薬を塗れば良くなるが、薬を切らすとまた痒くなる。その繰り返し。塗り薬が切れたタイミングでもう一度病院に行った。すると、前回の採血のさらに詳しい結果が出ていた。今度は甲状腺に問題があるらしい。甲状腺は何の栄養が足りないのだろう?
「もう一度血液検査をしましょう」
とお医者さんはいう。今度は何が原因で甲状腺の機能が低下しているのかを調べるそう。次また行った時に結果を教えてくれると言っていた。
面白い病院だな。一つ一つ原因を確認し試行錯誤して直していくやり方。
できれば病院に行く必要がないくらい健康的な肌を手に入れたいものだ。それが叶った暁には献血に行ってもいい。前は怖かったけど、採血されることにもだんだん慣れてきた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。