ロシア語メモ③ повсюду туман

2年前の私に、今日の私は泣かされる。今ね、ロシア語で書かれたその日記を解読しているんだけど懐かしさに泣けてきそうだ。

クラスノヤルスクに留学中、5日間バイカル湖へ列車で旅をした。シベリア鉄道の旅だよ。
ロシア語の先生から毎日日記を書くように宿題を出されたんだ。書く事が好きな私は張り切って書いたのだった。

読んでて思った。なにこれ几帳面過ぎる。本当に私が書いたの!?

日本語に訳してみるのでよかったら読んでみて!

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2017年2月23日
旅行の一日目。私たち(私、С、ジーナ、リータ)はみんなクラスノヤルスク駅には行ったことがなくて、駅までバスで何分かかるのかわからなかった。なので列車の発車の2時間前にうちを出た。チケットは、Сがインターネットでイルクーツク行きのチケットを手に入れてくれていた。14:40に列車に乗ってクラスノヤルスクを出発した。
私は上のベッドに上るとすぐに寝てしまった。なぜかわからないけど眠かったんだ(もしかしたら前日の夜スケートをしていたせいかもしれない)。

2017年2月24日
8時半に目が覚めた。ということは、時差を考慮して15時間も寝ていたことになる。こんなに長く眠ったことない。
朝食にリータがパンとみかんをくれた。出発までに食べ物を買っておくべきだった。11:31にイルクーツクに着いた。朝は雪が降っていたけど、昼には暖かくなった。通りで雪が溶けていた。
街を歩いていた時、突然知らないロシア人の男の人がСとジーナにハグしてきた。「中国が大好きだ!」と彼は言った。私はびっくりして逃げだした。
通りには古い建物が立っていた。私たちは教会を見た。壁は赤く、屋根は水色。日本にはないようなものなのでおもしろかった。

夕方の6時にホステルへ向かうタクシーの運転手さんと待ち合わせした。ホステルはリストビャンカにある。1時間で到着した。
ジーナと私は夕食を作った。トマトのスープと白菜のサラダと鶏肉。どれもおいしかった。ジーナは料理がとても上手で、その上食べ終わったあとにお皿洗いまでしてくれた。めちゃめちゃいい子だ。

2017年2月25日
7時に起きた。8時半になるまで誰も目を覚まさない。部屋の本棚にあった、<<Река Времён>> 『時間の川』という本を読んで過ごした。
10時、みんなで湖を見に行った。外は全く寒くない。朝、白い霧が湖を覆っていたので何も見えなかったけれどその後晴れてきた。私たちは湖の氷の上を散歩した。鏡のような氷は雪の下に隠されていて、そのせいで美しい氷を見ることはできなかった。でも、雪景色は気に入った。

ジーナが言った。「砂漠みたいだね」
そう、白い砂漠だった。雪が眩しく輝いて、私の目は疲れてしまった。サングラスを持っていればよかったのに…。
白い氷の上で、意外なことに春が来るのを感じていた。だって暖かい。氷がとけてみんな湖に落ちてしまうんじゃないかって心配だった。けれども氷は足の下でしっかりと硬かった。
市場でお昼ごはんを食べた。Сはオムリというバイカル湖でとれる魚を食べていた。

昼食後はホステルに戻って休憩した。夕方6時、リータ以外の3人で日没を眺めに外へ出た。ホステルから5分歩けばバイカル湖の岸にたどり着く。湖のその部分には氷がなくて太陽の光が透明な水の上に落ちていた。めちゃクールだ!
私は対岸の山の向こうに日がすっかり沈んでしまうまで眺めていた。

2017年2月26日
今日も私が一番に起きた。そしてブリンチキ(ロシアのクレープ、ブリヌィの小さいやつ)を焼いた。昨日の夕食にブリンチキを作ったけれど生地がまだ残っていたんだ。リータはフライ返しを使わないでフライパンだけでとても上手にひっくり返す。まるでコックみたいにね。そして今日、私もブリンチキをひっくり返すことに成功した。
朝10時、タリツィで開かれるお祭りに向かった。お祭りは12時から始まる。早く来すぎてしまった。お祭りが始まるまで森を散歩し、木から作られた古い家の展示を見てまわった。アンガラ川のそばにシラカバの森がある。雪がキラキラしてきれいだった。私は森の中に住みたくなる。それは子どもの頃の夢だったんだ。
今日は日曜日、マースレニツァ(冬にさよならして春の訪れをお祝いするお祭り、ブリヌィ・ブリンチキを食べてお祝いする)の最終日だ。たくさんの人がお祭りに来ていた。カラフルな服を着た若者たちがダンスを踊る。

私はブリンチキとオムリ(魚)を食べた。久しぶりに食べる魚はとってもおいしかった。
森と、魚と、にぎやかなお祭りに、たくさんエネルギーをもらえた気がする。

2017年2月17日
リストビャンカでの最後の日。朝食の後、湖の目の前にあるバイカル博物館を訪れた。そこではバイカル湖がどのように形作られたか展示されていた。また、バイカルの生き物を見ることもできる。子どものアザラシが水の中を泳いでいた。建物の2階でリータと私は顕微鏡を覗いて湖の微生物を観察した。
それから、オムリ(魚)の模型も見つけた。年をとれば取るほど、大きい体になる。昨日私が食べたオムリは8歳くらいじゃないかと思った。
その後、もう一度湖を歩いた。少しだけ青い氷を見つけることができた。でもアザラシは見なかった。

昼の12時にリストビャンカを発った。17:20、クラスノヤルスク行きの列車が発車すると同時に私は眠ってしまった。

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「一面霧で覆われている」という表現はロシア語で何て言うの?
ロシア人の友達に尋ねた単語がスマホのメモに残っている。

повсюду туман (パフシュドゥ トゥマーン)

2年前、本当に私はロシアにいたんだなぁ。

“ロシア語メモ③ повсюду туман” への7件の返信

    1. Просто так)
      なんとなくだよ。
      ロシアのことを全く知らなかったから、ロシアで暮らしてみたいと思いました。ただそれだけです笑

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