銀色で冷たいあいつ

昨日降った雪は大したことはなかったけれど、私のマンションの周りでは車や人が踏み固めた雪が氷になっていてまだそれが残ってる。体幹なさすぎ人間なので、転んで怪我するのはやだなって。だから今日は一日中家に引きこもってた。

だけどやることなさすぎてね、暇だなって布団の中で色々考えていたんだけどふと、たまには楽器出さないとかわいそうかななんて珍しく思って、4ヶ月ぶりぐらいに楽器をケースから出した。急にそんなふうに思ったの、たぶん昨日ゆうかさんの素敵な曲を聴いたからだと思う。私自身は、いつも言葉と音楽の繋がりって難しく感じてて、どんな風に良かった、とかうまく言えなくてもどかしいんだけど、すごく素直に、いいなあ好きだな、私も音楽したくなるなあって感じたよ。

冬場の金管楽器はめちゃくちゃに冷たい。金属の刺す冷たさ。前は冬は楽器冷たいから練習したくない〜とか駄々こねてたなあ。最初は触るのが億劫になるくらい冷たくて、ロングトーンしてると管を通る空気で金属がだんだんと暖かくなってくるんだよね。本当に久しぶりに吹いたから掠れたり震えたりする音しか出なかったけど、楽器に温度を与えてる感覚とか、ベル先の空気を震わせてる感覚とかはやっぱり楽しいなって思った。

きっとできなくなっていることの方が多いから、難しいエチュードとか、死ぬ気でさらったソロとかはやる気が起きなかったけど、記憶にまかせて音が出なくなるまでいろいろ吹いた。タイトルの思い出せない合唱の歌とか、キャッチーなメロディでずっと心に残ってるオケ曲のフレーズとかとか。

音が鳴らなくなるまで吹いたのも久しぶりだった。毎日楽譜と向き合ってた頃、楽器をケースにしまうときは焦りとか不安とかそういう感情ばっかりだったと思う。でも、楽譜も見ずに久々に吹いてみた今日は単純に満たされた感じ、疲れて眠い、みたいなそんな気持ちになった。練習しなくていいやって思ってるみたいなものだから、悪いことかもしれない。次ちゃんとケースを開けるの、とっても先になっちゃうかもしれない。できないことばかりにこれからはなるのかも。でも、それでも今日は、すごく温かい気持ちになったんだって覚えておきたい。なんでか今は、あんなに離れたかった音楽と楽しく過ごすこともできてるよってちょっと前の自分に言ってあげたくなった。

明日も雪が降るとか降らないとか。新しくフカフカの雪が降ったら、明日は外に出てみようかな。

“銀色で冷たいあいつ” への3件の返信

    1. 喋りすぎて声出なくなるみたいに、楽器吹きすぎて疲れると唇が振動しなくなって音ならなくなるんよ

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