アートとエジプトと養蜂

本当にすてきな出会いに恵まれたので、聞いてほしい。

昨日、バイト先の謎に包まれた28歳のお姉さんのおうちにお邪魔した。彼女は浜松城公園店がオープンしてから1年も経ってないのに、ベテラン臭を放っていて本当に不思議な人だった。そんな彼女に「キムチ鍋、好き?」と唐突に聞かれたのだ。

 

彼女の家はヒッピーな感じで、変な置物がたくさんあった。観葉植物も5個ぐらい並べられていて、お世話が大変そう、なんて思ったりもした。モデルルームじゃん。こびりついた煙草の香りがとても似合っていた。

そんなお部屋でキムチ鍋を食べた。彼女は肉を敷き詰めて層を作ってから加熱するタイプの人らしい。

パンフレットを渡された。彼女には自閉症の弟がいて、彼が描いた絵を見て欲しいとのことだった。

いわゆる"アウトサイダー・アート"とよばれるものだった。知ってる?専門的な知識を持たない精神障害者や知的障害者みたいな人たちが描いたすごくショッキングな絵のこと。ほんとうに色使いが奇妙なの。線の入り方もこんなの、見たことない!って驚愕するようなものだったりする。

まさにそのアウトサイダー・アートそのものだった。彼女は「自閉症の子たちに、もっと稼げる機会を与えたいんだ」と話した。わかるなあ、わたしもいっしょだよ。もっと稼げる機会はあっていいはずだ。ないなら作ってやりたい。

それでね、彼女は絵を趣味とする自閉症やその他の障害者の人たちが集まる場をつくっている協会?みたいなところと連携して、その協会が持つ絵を買い取りたいと話した。

「買い取ったら、その絵を企業に売り込みたいんだ。デザインとしてね」

めっちゃいいじゃん、それ。わたし、そんなデザインのノートとかあったら絶対買うなあ

 

ハーブティーを淹れてくれた。めちゃめちゃうまかった。なにこれ。

「そういえば、わたしの友人が自閉症の子たちに養蜂を自宅でやってもらう事業を立ち上げようとしてる。」

「自閉症の子はね、空気の変化や羽のこする音に敏感だから蜂と仲良くなれるんだって」

「しかもね、自宅養蜂は普及してないけどそんなに難しくないことらしい」

「稼げる機会を与えられるのなら、どんなことでも力になりたい」

すごく興味深い話で、うんうん頷くのに忙しかった。すごくサポートしたい。よかったらスタバ本社にサポートしてもらえるようにCEOに伝えとこうか?なんて言ってみた。

 

話が一段落してソファに座った。チョコを食べながらラテをいただく。

「養蜂の人とね、エジプトと出会ったんだ。」

へえ、なんでエジプトに?

「おかしな話だけどね、夢でエジプトに行った次の日、エジプトの広告がたまたま流れてきて。」

そりゃ、運命じみてるねえ

「運命、かどうかはわからないけど、養蜂の人とも出会えたし、来月からエジプトに行くほどエジプトのことが大好き」

ははあ、なるほど。

「ななこはエジプトはどう?」

実は大好きなんすよ。歴史がね。アレキサンドリア図書館とか、ウマイヤ朝とか、そのあたりの歴史がほんとうに好きで…

「ええ!思ったより詳しい」

世界史の中でもイスラム史、エジプトやギリシャあたりにはかなり詳しい自信があります

「ななこちゃん!よかったらエジプトの手話ガイドやらない!?」

なにそれ、やるやるやる!!!!

 

エジプトに近いうちに行くことになりそうです。楽しみだなあ

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