「ろう学校の先生になるのどう?」

何もやりたくなかった10代の頃とは一変して、今私はいろんなことをやってみたくなる。
社会に出るのは怖いくせに夢を語るのなら楽しい。

学校の先生になれなかったら、マッサージ師になりたい。
いつか手話カフェを開いてケーキやパンを焼きたいとも思う。

きっかけはいつも誰かの言葉だった。とりとめのない会話の中で私に向けて発せられた、誰かの言葉。
そこから私はたくさんの夢を持つ。

「福岡みたいな手話カフェが愛知にもあればいいのに」と私が言うと、
「自分で作ればいいじゃない!!」

それ、考えてみたこともなかった。でもいいな!
私の頭の中で妄想が始まる。

手話カフェ。
そこでは聞こえないことを気にする必要がない。注文は手話、もしくはメニューを指差し。
そしてみんなが手話でおしゃべりしている横で私はゆずとごま入りのバナナケーキを作るのだ。

なんか、楽しそう。

誰かに言われて、
「あっいいな!」と思う瞬間がある。
相手は本気で言っていたわけではないかもしれないけれど、たったひとことで私はわりと本気になってしまう。

と言っても手話カフェを開く予定はまだないよ。今は教師を目指しているからね。

「ろう学校の先生になるのどう?」

先輩にそう言われたあの時から、教職という私の夢は始まった。

目標に向かって進んでいくのは簡単ではない。
けれども一枚の葉っぱと同じくらいさらりと発せられた言葉に、私は未来を描く力をもらうんだ。

将来教師になったら、
「やってみたらどう?」をたくさん言ってみたい。

“「ろう学校の先生になるのどう?」” への4件の返信

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