[君へ]

 

 

 

 

 

ーあの子は恋を諦めるらしい。

 

 

 

 

諦めようとしたのはぼくなのに

こんなにも息ができなくなるんだね

君の後ろ姿しか知らなかったけど

それで、もういいかな

 

春だからとかで靴を買った

前の靴は思い出を括りつけて

捨ててしまおうか

そうやって一つ一つ君の存在を

消してくんだ

 

恋を悩んで悩んで雲を掴む

触れたことすらないよ君のことなんて

こっち見てよ背を向けないで

君の視野にぼくはもういない?

 

 

君の仕草に君の笑顔に君の全てに

こんなにもぼくは苦しくなるんだね

勝手に一歩下がって勝手にばいばい

それで、もういいよね

 

冬の贈り物を見る癖やめたい

どんな物が君に似合うのかななんて

そんな関係じゃないくせに

それでも心のどこかで残る君の存在が

消えないや

 

愛を探して探して風を追う

小さくなってくよ君の背中が

こっち見てよ背を向けないで

ぼくの中の君がもう消える

 

 

風が雲を運んでよ遥か彼方へ

一点の雲もとどめぬ空へ

時が君を流してやがて諦観へ

君の欠片さえも残さないで

 

好きな人を聞かれた君の名前を言いたいのに

胸に秘めた想い、願ってはいけない恋よ

「ずっと友達でいようぜ」二人の形の終着点

誰のせい?ぼくの性?あなたと同じ形の身体

 

君に恋して恋して君を離す

綺麗なままで終わらせたい君のこと

向こうを見てよ背を向けないで

ぼくはようやく君を諦められるよ

 

 

さようなら、好きって言えなかった君よ

 

 

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