こわい話じゃないよ

幽霊は存在すると思う。
体は死んでも魂は幽霊になって残るんだ。たぶん、死んだあとしばらくは。

①窓の外の男の子
3歳まで、私はアパートに住んでいた。
「男の子が窓の外で手を振ってるよ」
と私に言われて母は窓の外を見た。
「一緒に遊ぼうだって」と私がいうけれど、母には男の子の姿は見えなかった。
「でももう暗いから、また今度。今日はバイバイって言っときなよ」
「バイバーイ」のんきに手なんか振る私。
怖かったとその時のことを母が話してくれた。大きくなってその話を聞いても、私は何も覚えていない。

②お通夜に現れたひいばーちゃん
妹も小さかった頃、同じような体験がある。
ひいばーちゃんがなくなったお通夜の時、ということは、妹はまだ3歳の頃だ。天井の方を指して妹が言う。
「あそこにひいばーちゃんがいるよ」
死んでしまったけどみんなのことが心配で見に来ていたのだろうか。
小さな子どもには見えるんだね。

③金縛りにあった夜
私が高校生の時にも不思議なことがあった。
父方のおじいちゃんの命があぶなくなった夜、寝ていた私は金縛りにあった。手も足も自由にならない。声も出ない。動けなくてすっごく怖かった。
おじいちゃんは父に会いに来たのではないかと思う。けれどその日、父はちょうど旅行に出かけていた。家にいた私に、おじいちゃんは何か伝えようとしていたのかも。

④父が見た夢
私と妹が母のお腹にできた時、父は変わった夢を見たという。
私の時は、ボールが母に当たってお腹に吸い込まれていくのを見た。妹の時もやっぱりボールが当たって、母が死んでしまう夢だったらしい。
生まれる前の命は、そんな風にしてお母さんのお腹に入るのかな。

⑤赤ちゃんの記憶
変わった夢と言ったら、ちょうど1年前、自分が赤ちゃんだった頃の記憶を夢に見た。
夢だからすぐ忘れてしまうものだけど、その時ブログに書いた文章が残っていた。

———
私は仰向けの姿勢で寝ている。
頭の中でぐわんぐわんと音がなる。呼吸に合わせるようなリズムで。

男の子が私の鼻に鉛筆を押し込もうとしている。やめてくれと思ったけど、でも振り払えない。

黒い影が私の前を横切ろうとする。なんだか怖い。
私の体を横向きに向きを変えようとしている。私は一層激しく泣く。

なぜか手も足も短くなっていた。
短い手足をバタバタさせてものすごい泣いている私。
周りはあまりよく見えなかった。手と足が動くのだけ見えた。

足元で何か別のものがもぞもぞしている。
なんだろうと思ったら、犬がいた。
レモンだ。
現実の世界の、レモン。

そこで目が覚めて、気付いた。
夢の中で、私は赤ちゃんになっていたんだ。

母や父から「あんたが泣くとものすごい声だった」って言われていたけど、
ほんとよくあんな声で泣けるもんだなぁ。
目が覚めても耳がガンガンしてる。

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ちなみに、
最近みたこわい夢は、単位を落とす夢。本当になりそうでこわい。

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