旅は続く

石の像がそびえる景色を夢に見た。
大仏のような石像がそびえている。奈良の大仏とはちょっと違う顔だ。髪の毛が玉でできていない。でもどこかで見たようなお顔……。
思い出した。アンコールワットに似ている。

アンコールワットは灰色をした砂岩の遺跡だったけれど、夢の中では何もかも翡翠でできていた。大仏の頭だけでなく、足元も一面みどり。
つるつるした石の表面には薔薇の花のような模様が刻まれている。

翡翠の遺跡から少し行ったところに浅瀬があった。バイカル湖の水みたいに透き通ったきれいな水。
ひんやりする水の中をくぐり抜けて向こう側に出ると、そこは博物館だった。現代的なコンクリートの建物で、ガラスを通してパンフレットが並べられた机や恐竜のような骨の模型が見える。

ひょっとしたら翡翠の遺跡についての資料館だという可能性もあった。しかし、水を通ってたどり着く場所は全くつながりのない世界だと、私は確信していた。

それまでずっと、旅をしてきたんだ。
でもそれが夢であるともわかっていた。
夢を見るたびに旅の続きが始まる。そうして、いくつもの世界を渡り歩いてきたのだ。思い出せずに忘れてしまった夢もすべて、今立っているこの場所に続いている。

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