クロスバイク通勤6か月目

今日もまた自転車に乗って仕事へ出かける。雨の日も、風の日も、真夏の太陽の下でもいける限りは。走れることが私の喜び。

1月から始めた自転車通勤は継続している。引越ししてからも距離数はほぼ同じだが、川沿いの道を走り始めてからずっと楽にしかも速く行けるようになった。正確なタイムを計っているわけではないが、18:00のチャイムが鳴る前に家に入っているということは1時間を切っている。
川沿いの道は平和だ。一面田んぼや麦畑が広がっていてシラサギやアオサギをよく見かける。たまにイタチもいる。草むらから背中がオレンジ色の小鳥が飛び出してくる。自転車よりも小鳥の飛ぶ速度は速い。追いつけそうなのに絶対にぶつからない。虫が目に入ってくるのでサングラスは欠かせない。
急ぐ必要は全くない。ただ楽しくて、走り出すのを止められないんだ。

平坦での最高速度は30km/h。風向きが味方すればもっといけるかもしれない。少し前までは26km/hが限界だった。だんだん速くなっている。川沿いでは橋に差し掛かるたびに緩い傾斜があるので下りを利用して加速する。
速さを求めるというよりは、上手に走れるようになりたいという一言に尽きる。がしがし力を入れて踏むのは疲れるのでフォームを意識する。足の回転に上手くタイミングを合わせて体重を乗せると、あまり力を入れずとも勝手にペダルにエネルギーが伝わっていく。クロスバイクを知る前は自転車で走る時、鳥になって飛ぶような心地でいた。羽ばたきのリズムでペダルを漕ぎ、羽を広げて滑るように脚を休ませる。一方、前傾姿勢をとるクロスバイクはチーターみたいだ。丸めた背中、蹴り出す後ろ足、全身を無駄なく使ってスピードを生み出す。
「ハンドルをロードバイクのドロップハンドルにカスタムした」と買った人は(自分では乗りもしないのに)自慢げに言う。私にとっては意味がわからなかった。なぜこんな形なのだろうと初めて乗った時は不思議でならなかったが、今ではすっかり慣れてしまった。速く走るためにはこの姿勢、この持ち方でなければいけないということも理解できる。
私の乗り方は、基本的にというか常に下ハンドル。これにはわけがある。少し前までブレーキが効きにくい状態で走っていたため、ぎゅっと握るためにはブラケット(ハンドルの上の角みたいなところ)では心許なかった。すぐにブレーキがかけられないのは不安なので下ハンドルを持つしかなかった。そのうちに全力で握ってもズルズル進むようになってしまい、意を決して自転車屋さんに持っていくとブレーキパットが摩耗していたことが判明した。ブレーキパッドを新品に交換してからはブラケットを握ってブレーキをかけても全然問題ないのだが、ずっと下ハンドルで通してきたためこっちの方がなんだか落ち着く。ブラケットも練習してみようかな。フォームは自己流なのでこれで合っているのかはわからないが、少しでも楽に走れる乗り方を模索している。
ひとつ気になっていることがある。フロントギアを変えられないことだ。右手のギアは変えられるが、フロントギアが動くはずの左手側はレバーをいじってもうんともすんとも言わない。自転車に関しては全くの素人なので違ってるかもしれないけど、恐らくインナーに入っている模様。外周りでギザギザを描いているアウターギアがただの飾りでないとしたら、動かせなくては変じゃないか?もしフロントギアを変えられるのなら、今よりもっと走れそう!自由な走りができるかもしれないという期待もある。今度自転車屋さんに聞いてみよう。

昨日は遠出して片道26kmを走った。いつもの通勤距離の往復分にあたる。タイヤには空気を入れたばかり。ほとんどペダルに力を入れずとも風に運ばれているかのように滑らかにクロスバイクは進んでいく。天気は曇り。暑くはなく、走り出せば風が気持ちいい。快適だ。
サイクルジャージを着たお兄さん2人が前を走っていく。信号2つ分の間追いかけてみたが、速い。ちょっとした上りであっけなく置いていかれた。
大きい道路は走りやすいということを発見した。1車線よりも片側2車線ある方が確かに車は自転車を避けやすいと思う。初めて左折レーンを直進する。端っこにいたら巻き込まれる。真ん中寄りに、前を行く車の後ろにつけておくと安全かもしれない。車の列の中に自転車を割り込ませるのは結構勇気がいるが、きちんと存在を主張しなければかえって危ない。公道に出たら交通の一部になる感覚がある。自転車も車も、みんなどこかに行くために走っている。お互いに邪魔し合わないように流れを作っていかなくてはいけない。車がスムーズに走ることは自転車がスムーズに走るためにも必要なことだ。
街中の26kmを侮っていた。帰りは道に迷ったので実際はもっと距離があるかもしれない。ばててしまって、途中から頭痛がし始めていた。絶えず脇を通っていく車に緊張し続け、疲労が溜まっていたのだと思う。地名の看板を見逃す。行きに通ったはずの道で、地図を見ても今自分がどこを走っているのかわからない。一旦休憩しようとコンビニに立ち寄りソイジョイをかじって後悔した。時間が経つにつれてだんだんお腹が気持ち悪くなってくる。やっとのことで家まで帰り着いた。お風呂だけ入って歯を磨かずに寝てしまった。これは由々しき事態である。365日朝晩欠かさず歯磨きをする、チャンスがあれば昼も磨く私なのに。

一晩経てば昨日の気分の悪さはどこへやら、しゃっきり元気になった。今日もやっぱり自転車で会社に行った。雨だけど。
ひとたび限界を知るとさらに先まで行ってみたくなる。次はもっと遠くまで行けるかな。

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