マルセリーノのジャケット

マルセリーノは、いつもめちゃくちゃ素敵なジャケットを着ていた。それには青、白、金の糸を使った華やかな幾何学模様の刺繍が、袖の先や襟の端までみっちりと施されている。近づいてよくよく見せてもらうと、所々に紫や橙、黄緑の糸なんかも細かく編み込まれている。その色と模様は、彼の力強い褐色の肌にとてもよく映えたし、太陽のような笑顔を見事に引き立たせた。学校で初めて彼と話した時、 “マルセリーノのジャケット” の続きを読む

悪いのは私ではない

ホームセンターの冷たい床に整列し、ツヤツヤとした瞳でこちらを見つめてくる炬燵テーブル達。手触りの良さや暖かな色味を懸命にアピールしてくる炬燵布団達。売れずにヤケを起こしたのか、仲間と結託して自身らを大安売りする潔い「冬のぬくぬく炬燵セット」達。それら一つ一つに、心の中でこう呟き続けてきた。

君のことすごく素敵だと思うし大好きだけど、事情があって買うことができないんだ。ごめんね。 “悪いのは私ではない” の続きを読む

薔薇の香り (2)

続いて日付通り、16日のダーリンです。(だらだらとオチもなく…すみません。)

コンビニに行ってきますとLINEして、あれこれ買って部屋に戻った。彼女は布団の中でケータイを触っていて、つまりはしっかり生きていた。むしろピンピンしていた。当然である。鍋でお湯を沸かしてスープはるさめを作ると、「これはこれは、いいチョイスですね〜」と喜んで起きてきてくれた。これには私も猫被りのくせ、うっかり尻尾をフリフリした。 “薔薇の香り (2)” の続きを読む

Re:Re:Re:生きるために、書く

はじめまして、もえです。生きるために書かせてくれてありがとう。

折角の初投稿なのだから、何かいい感じの自己紹介をしたい。人間だもの、できたら初対面の相手には、できるだけ良い印象を与えておきたい。仕方ないやん、それは人情というものやん。でもここで、あまりに有り触れた問題が浮上してくる。(有り触れた問題ほど深刻な問題はない) “Re:Re:Re:生きるために、書く” の続きを読む