I’ll be

金曜から土曜日にかけて、私はとても気分が良かった。卒業研究の口頭試問を終え、むふふ、という達成感に満たされていた。長く心を陰らせてきたいくつもの飲み会の予定は、この日で遂に消化しきった。たとえアルコールを飲まずとも、お開きとなれば愉快適悦。1人おほほおんと歌など歌いながら、今夜はそこいらのコンビニで、おやつ2つほど買っちゃいまひょか!などと考えたりもした。けれども夜半、2年ぶりに再会した友人とコーヒーを飲みに行くことにした。2人でお互いの近況や卒論について、そして数年前の共通の思い出などについて色々話した。嬉しくなって、ついついペラペラと喋り続けた。有頂天外、気づけばとっくに日を跨いでいた。

店を出て彼と別れた後、はしゃぎ過ぎたことを少し反省しながら、外を延々ほっつき歩いた。夜道はいつも通り暗く閑散として、けれどとても清々しい感じがした。イヤホンをして、Mr.ChildrenのDISCOVERYというアルバムをずっと聴いていた。それは父の車の中で、いつもいつも流れていたアルバムだった。I’ll beという曲が、彼の一番好きな曲だ。周囲には快活な人、器用な人だと思われていたようだけど、決してそうじゃなかった。抑えきれないほどの不安や焦り、悔しさと怒り、その全てを深く胸にとじこめる時、彼は同時に言葉まで閉じ込めることがあった。そして夜のうねる山道を車で帰る際、馬鹿みたくカーオーディオのボリュームを上げ、阿呆みたくアクセルを踏み込んだままカーブを曲がることがあった。その姿を、私は助手席で何度も見た。その映像がいつも、私の胸のどこかにある。”腑甲斐ない自分に銃口を突きつけ”続ける、人の美しさとしてある。彼と違って私はすぐに怖いだの辛いだのと口にする。すぐに笑っていられなくなる。ジェットコースターのように数時間単位で浮き沈みする。でもそれでも、できるだけ怖くて辛いものを選ぶ人間でありたい、そうなりたいなあ。

土曜日の朝、家に着いて、父にメールを送った。「大学行かせてくれてありがとう」。教授と撮った写真も1枚添付した。我ながら珍しくいい顔で笑えている写真だった。実は死ぬほど勉強してたんだぜ、ふふ。そんな自負がいい感じに表情に出ていて、なかなかよろし。そのまま引越しの見積もりを数件受けて日取りを決めて、必要な事務書類を一通り整えた。要らない服や物は一気に捨てた。あちこちから借りていた本をすべて返した。早めに寝て、日曜は少し資格の勉強をして、午後からお世話になっていた人に少し会いに行った。帰ってきて、偶々放送していたNHKの平成史という番組を見ていた。2002年にノーベル賞を受賞した田中耕一さんが特集されていた。真剣に見ていたら色々気になって、あれこれ検索などかけ始めた。そんな中ダーリンのお題の期日は、刻一刻と迫っていた…。にょほほ。やっぱり0時を思い切り超えてしまいましたね。こういうとこ、改善すべき。でも田中耕一さん、すごくかっこよかったんだ…ごにょごにょ。数日前のよしださんの文章に感化されたのかしら、今日はやけに前向きな文章が書けた。明日は雨が降るかもしれない。そして私は地獄に落ちるのかもしれない。まあそれはそれで、仕方なし。今夜は寝まひょ。おやすみ。

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