令和時代の憂鬱日記

令和最初の夏は暴走機関車のような熱気を帯びていた。今日は北海道が一番暑くて、沖縄が一番涼しいと天気予報士は告げている。何もかもあべこべだ。当たり前はもう通用しないらしい。僕が信じていた当たり前も、どうやらこの暑さで溶けてしまったようだ。小学生の頃、普通に大学を卒業して、普通に就職するものだと思っていた。だが22歳の春、僕はまだ大学にいた。

あれだけ自分が打ち込んでいた受験勉強というものが、大学に入って専門分野に置き換えられたとき、その情熱は失われてしまった。どうやら選択を間違えてしまったみたい。何か他に向いていることを探そうと、僕は休学を決意した。

 

常識の奴隷から解放されたのはいいものの、どこへ向かえばいいのか皆目見当がつかない。しかも左足にはいまだに鎖と鉄球が繋がれている。文字通りこれらは足枷となって、僕の旅の邪魔をした。「いいよね、君の足には錘がなくて。僕なんてさ」心の中で何度繰り返したことだろう。誰にも見られたくなかった。すべての言い訳に使った。本当はそれに甘えていただけだった。

 

もちろん人間関係にも影響を及ぼした。人と仲良くしようとしても、左足が見られることを恐れて逃げてしまう。結局、本当の友達はスマホだけだ。同じように依存している人を探し出してくれる最強の友達。何かを薦めてくれるのが一番素晴らしい友達だったりする。

 

そんな最強の友達と一緒にいると、僕は劣等感に悩まされる。彼らが映す情報は羨ましくも憎たらしい。インスタグラムを見れば、美味しいものを食べていない者は貧乏に、ツイッターを見れば、夢に向かって頑張っていない者はバカな怠け者に、ラインを見れば、通知は来ない。フェイスブックの友達は外国人と自己啓発野郎しかいなかった。

 

そんないつ騙されるかもわからない世界で、僕は何を信じればいいのだろう。自分の中に一つでもあればモヤモヤは晴れるのに、、、仕事だったり家族だったり趣味だったり、、、

 

(この文章はここで終わっています)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。