よく晴れて暑い日が続いた。
夏バテ予防にはゴーヤチャンプル。日曜日の夜、皿に山ほど作って全部食べた。
朝の空も、夕焼けも、昼頃遠くにもこもこ湧き出る入道雲も、すっかり夏の色をしていた。空の青色が濃いほど、ますます暑い。少しでいいから、ぼーっとしたい。
自転車に乗る日は日焼け止めは欠かせない。朝からギラギラしてる。容赦ない。
足にも塗らなきゃ。たった一日サンダルを履いていただけで、しっかり日焼けの跡がついてしまった。マジックテープでできた凹凸までもがくっきり。
帰宅するや否やクーラーをつける。米を研いで夕飯の準備をしないとと思うのに、しばらく動けなかった。夏バテ。
なぜ人は40℃のお湯に浸かるのだろう。気温が40℃の日には熱中症になってしまうのに、お風呂なら大丈夫なの?
1時間くらい長風呂したら命が危険な状態になるのだろうか。それとも、外と比べて湯の中では汗が蒸発しにくいから脱水症状を起こしにくいのか。
気体と液体で温度の感じ方が変わるのか。それをいうなら、湿度が高い風呂場でも熱中症のリスクは高いはずだ。
わからない。
とにかく、40℃の猛暑が続くのには、もう耐えられない。
先週は、1週間雨模様だった。来週も続くのだろうか。
雨でも洗濯しなければいけないし、出勤しなければいけない。一日中しとしと降る日は自転車を諦め、長靴を履いて歩いた。
とにかく湿度が高い。風呂場の掃除を熱心にする。もう長いこと足が遠のいてしまっているけれど、大学のキャンパスにはきのこが群生しているに違いない。
夕立はおどろおどろしい。空が真っ暗になったかと思うと、突然雷が鳴り、滝のように降り始める。そしてあっという間に上がる。 雨上がりの川は濁流。ひんやりする風が流れていく。夕焼けと雨雲の混ざった空を眺めていたら声をかけられた。
「すごい眺めですね」
なんだか、いつもと違う。
「いつも」ってなんだ。
知らない。
暑い晴れの日とぐずぐず続く雨の日との間を行き来するばかり。このまま私は生きていけるのだろうかと、心配になる時がある。
きのこもカビも、諦めてしまえば終わりなんだ。ゴーヤでも傘でも長靴でも、太刀打ちできない。この夏を乗り越えたところで、一体何が待っているというんだ。
昔はもっと、夏が好きだった。
笹の葉に願い事を結んだり、畑にナスやきゅうりをとりに行ったり、網を持ってセミを捕まえたりした。カブトムシを幼虫から育てたりもした。プールに泳ぎに行ったし、びっくりするほど冷たい川でマスを捕まえた。日焼けなんか全然気にしてなかったあの頃。
夏休みの宿題は全然やる気が出なかったけど、それすら今思い出せば懐かしい。最初は嫌でしかたないのに、集中し始めると気分がよかった。漢字練習とか、わりと好きだったんじゃない?
そうだ、今日から勉強しよう。雨でも暑くても、勉強ならできそうだ。1日1個、単語を覚えよう。そしたら、夏の終わりには53個。
あっという間に過ぎるから、夏が好きだったんだと思う。