台風がやって来て、行ってしまうまで

風が強い。

久しぶりに寿司を食べに行ったら、美味しくてたくさん食べちゃった。11皿、自己最高記録を更新。
寿司ってこんなに美味しかったっけ。ふわふわの穴子の身に感動した。海老天も蓮根天も揚げたてだった。一番気に入ったのは、ゆず塩炙りハマチ。それから、アボカドサーモンとエビサーモン。なんか似てるのばっかり頼んでしまうなあと思った。
それが金曜の夜。

土曜日は一転、イライラしていた。
私って嫌なやつでしょ?そういう時は放っておいてくれていい。
夜ははやく寝る。暖かくて安全な暗闇の夢をみる。

日曜日から風が強かった。午前中はボクシングジムに行き、午後は近所をランニングした。あ、もう彼岸花が咲いている。
『ラン』を読んで以来、走りに熱が入った。最近、5キロを余裕で走っている。もっといける!でもまだ42.195キロなんて走れる気がしない。
夕方、ベランダから花火を眺めた。夜景モードだったら綺麗に写真が撮れるのに。
「どこだろう?」
「今池だよ。今日お祭りがあるもの」
本当にそうだろうか。今池は私の感覚ではずいぶん遠くなのに、音がはっきり届いてくる。遠くにも、近くにも感じられる。ポケットに忍び込む手。夜風が気持ちいい。

月曜日はまだ休みだった。珍しくちょっと寝坊する。日の出が遅くなってきたのが睡眠時間にも反映されているのかもしれない。
部屋の片付けに熱中した。いらないものを捨てて結構スッキリした。
本格的に風が強まってきたので、ベランダのアボカドを避難させた。天辺でまた新しい葉が開いている。それにしても大きくなったな、こいつ。もっと水をやらなきゃ。
時々思い出したように雨が降っては、また晴れ間がやってくる。明るいうちに床の上で絵を描いた。風の音と上の階の元気な足音を聞きながら、あっという間に時間は過ぎていった。
このまま時が止まってしまったらいいのに。永遠に日が沈まない部屋の中で、いつまでも完成しない絵を描いていたい。絵や写真というものはそういうものかもしれない。そのまま一瞬を切り取っておく。
今私が描いているのは、自分の顔。変な顔だ。変顔ではない。食べている時に写真を撮られたのが嫌だったのだと思う。睨みつけている。
顔は変だけど色はいい。緑と赤と青緑とグレー。バランスよく配置されている。

気づいたら外は土砂降りの雨で…。すっかり暗くなった部屋で描きかけの絵を片付けた。
いまの私、どんな顔してる?
嬉しかったことを忘れないでね。

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