イブだねえ。今日は8時間半のシフトだったんだけど、家に帰ったら机の上にでっかいチキンがあった。それはラップに包まれていて冷めきっていた。その隣に「冷蔵庫にシャンパンがあるよ!」という走り書き。
食べ終わってシンクにお皿を持っていくと、初めて見るワインの空き瓶が置かれていた。きっと、数時間前までは食卓の真ん中に置かれていたのだろう。
今日は普段より疲れた気がする。ロングシフトはいつものことなのに、なんだか生気が吸われたようだ。思い当たる節といえば、今日はやたら「メリークリスマス」と声をかけたことだろうか。「天皇陛下あきちゃん、ハッピーバースデー!」のほうが疲れなさそう、そうおもわない?
わたしはクリスマス好きだよ。イブの夜なんか、もうプレゼントはもらえないのはわかっているのにそわそわしちゃうもん。特に深い意味はないけど「うわー、明日はクリスマスなんだなあ」なんて感動したりする。ちなみにさっきもこの記事を書く直前にクリスマスの語源を調べてきた。頭がクリスマスでいっぱいなの。
それはきっと共感する人も多いだろう。クリスマスのお客さんは、けっこう多くの人が特別な何かを求めている。例えばメリークリスマスって声をかけられるとかね。
だからわたしは期待に応えようと声をかける。「クリスマスですね!」「お宅にはサンタさん来るんですか?」「ぼく、プレゼントは決めた?」だいたいこんなことを言っている。お客さんの笑顔が見たいから、っていうほどわたしはお人好しじゃない。これらはすべてクリスマスをクリスマスらしく過ごしたいというちょっとしたプレミアム感の追求なのだ。
満面の笑みでメリークリスマスって声をかけるわたしはプレミアム感をプレゼントしているように見えるかもしれないけど、実際はわたしが「いつもとちょっとちがった日だから、いつもとちょっとちがった接客がしたい」だけなのだ。ほんとうに自分本位な理由だねえ
だからおうちに帰ったとき、冷えたチキンを見て「親もみんなも一緒なんだなあ」って思った。みんなが自分のクリスマスをより特別なものにしたくて、行動をしているのだ。シャンパンを買ったりね。もしくは何もしなかったことを振り返って「クリぼっちだ」と名付けたりね。
みなさんはどんな行動でクリスマスという日をつくりましたか?
わかる。わかるなあ。