下北沢をもえちゃんとふらふらした話。鯉パクパク編

そうだ、もえちゃんの話だ。ずいぶん時間がたってしまったのだけれど書こう。

僕は初めてお話しする人間に無害な質問を連続して投げかける。「今朝の朝御飯は」とか「昨日はなにしてたの」といったたぐいの質問である。これにはちょっとした目的があって、相手の二つの情報を知りたいのだ。

1、記憶の整理のされかた
2、会話において、事実をどのように話す人間なのか

である。おまえそんなことを気にかけて会話してるの、キモオタやんけ。と言いたいのはわかる。けどね、僕は共感能力が低いので、相手の特性をいち早く理解しないと相手に失礼をするリスクがあるし、その後の友好関係を築くのが難しくなるのだね。僕は君のためにやってるんだ、、、それでもキモオタっていうの、、、、、。

もえちゃんは
1、時系列やラベル名以外のもの(例えば物事の特徴量や感情)によって記憶をソートしている
2、はちゃめちゃに誠実に事実を話す

ことがわかった。僕たちは13時ごろに集まったので、自然な流れで、といいたいのだけれどたしか僕が「おなかが減ったぞ!!!ブチギレそう!!!!」と集合前からラインでもえちゃんを煽りに煽っていたために、すぐにご飯をたべに向かった。入ったのはアイドルソングが無限に流れつづけるこじんまりとしたカフェで、壁に陳列されたインディーアイドルの物販やCDに似合わず、お客の9割は子連れの母達だった。お座席につくなり隣の子供が僕たちに興味を示し、手に持ったプラスチック製の球状のおもちゃを僕たちに投げつけてきた。母親がそれを制し、「ごめんなさいごめんなさい」と平謝りを繰り返していたが、母親の背中越しに子供は僕たちのことを鋭く凝視をしており、その手には強く球状のおもちゃが握らていた。

という感じの店で、丼ものとケーキのセットを食べつつもえちゃんに質問を投げかけていった。「お父さん似なの?お母さん似なの?」「お姉ちゃんはどんな人」とか家族形式を質問していた。彼女は質問される度に、少しうつむき、すぐに目の奥の光が失われた。記憶を辿るときに彼女が自然と行う仕草なんだろうな。答えが用意できると、目の奥に光が戻るのがわかり、僕をみて答えを教えてくれた。彼女が「うーん」とうなる一瞬にだけみられる動きだ。それは手を叩くと水面に口を突き出す鯉のようだった。このルーティーンが面白くて僕は意味もないのにずいぶんと質問をした。そのたびに鯉は律義に水面に現れて口をパクパクと開閉した。

今日も読んでくれてありがとう。大事な話にいたるまえにつかれたのでまた書きますね。

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