昨日夕方のニュース番組を観ていると、カラスが車のワイパーに付属しているゴムを引きちぎるという被害が増えていると報じていた。カラスは産卵時期を迎えるらしく、より強靭な巣を作るために柔軟で耐久性のあるゴムをかっさらってるということらしいです。それを観ていて、優秀なビジネスマンぽいなあと感心したりしていました。
今日ぼんやり昨日のニュースを考えていたのですが、ケニアのマサイ族も同じようなことをしていたなと思い出しました。マサイ族の中で、住居をつくる役割は女性が担っています。たいていは木々の骨組みに泥を塗り固めることで強度を上げていくのですが、現在のマサイ族の住居は一部トタン板が使われていたりとか、入り口だげゴムマットが使われていたりします。これは川から流れついた素材を拾ってきて既存の泥でできた住居の一部に加えたりしているのですね。「よりしなやかで、強度の高い家を作る」ことが目的になると、当然のようにトタンやゴムのほうが優れた素材なので、自然とマサイ族の女性はそれらの素材を集めるようになり、住居はごちゃごちゃした雰囲気の家になります。
おそらくマサイ族とカラスの目的は一致しているのではないかと思います。種族の繁栄と快適な暮らしのために強靭な家が欲しいのですね。
最初、その考えに至った時、カラスの知能が急激に向上して人間に近づいてきてるんじゃないかと恐怖を感じました。僕、バイオハザードが好きで、特に1が好きなのですね。で、プレーしてわかるのが、人間とカラスがゾンビ化したらよほどカラスの方が厄介な敵なんです。カラスは身軽で宙を舞うことができるし、知能も十分にあるので、まじでやらしい攻め方をしてきます。カラスの嘴は殺傷能力高いですからね。カラスって本気出すとくそ強いんですよ。
てな感じで、カラスってめちゃ強いし優秀だよねえーという結論に至ろうとしていたのだけれど、よく考えるとちょっと解釈が間違ってるなと感じました。これらの事例から考えられる含蓄は、「時代をさかのぼれば、人間はより野性的でカラスをはじめとする動物たちと近しい存在だった」ということと、「それら野生生物の中でカラスや人間は知能レベルが高く環境に順応する力が高かった」ということかなと思います。人間を一周退化させるとカラスと似たような住居に住んでるわけですからね。けっこう野生との距離感が近いし、その後の人間の進化ってすさまじいなって改めて思わせれます。
アフリカってたしか少なくとも3000くらいの部族が現存しています。調べて出てこなかったんですが、そのうちの殆どがビジネス部族という扱いになっています。現存する非接触部族は確認できる範囲で100くらいとあったので、言い換えるとそれらの部族以外はなんらかの形で現代に生きる人間や文明に接触しているわけですね。最近マスメディアが部族を調査することに凝っているので情報がけっこう手に入ります。みてると部族のなかでもビジネスにつよいやつらとそうでないやつらでグラデーションがあって面白いです。例えば、西アフリカに生息するハマル族はまだ貨幣が流通しておらず、ツアー代金がヤギ一頭(15ドルくらい)だったりします。ツアーの中にはハマル族がヤギを目の前で締めてくれて、晩御飯をふるまってくれたり、ホームステイが含まれています。けっこうコスパ良いですよね。それに対して、同じく西アフリカのムルシ族は貨幣の概念が浸透しており、村につくなり写真撮影を求め、対価として数ドルを求めたりしています。ムルシ族の人々が完全に諦観した目をしていて口を開いたかと思うと「money,money」しか言わないのが面白いです。やってることはハワイで観光客の肩に鳥をのっけて写真を撮るおっさんと一緒です。
部族の中で一番ビジネスの才能があるなと感じたのが、ビジネス部族のツアーの仲介をするビジネス部族の人たちです。彼らは数十の部族と契約を結んで、独自の価格を設定し、観光客にツアーを売り込んでいます。日本でいう地方観光案内所みたいなのを作っていて、カウンター越しに契約を結びます。さらに面白いのが、ツアーを検討している客にビジネス部族が作ったビールをふるまっていることです。これってやってることは、高級腕時計屋さんでシャンパンを振舞うのとまったく同じですからね。この人たちはチャンピオンのリバースウェーブTシャツにディッキースの短パンとか履いてたりします。自分たちは外貨を稼いで契約部族にはヤギとか与えとけばいいのでいい商売だなあと感心したりします。
という感じでテンションが上がって文章を書きまくってしまったんだけれど、ビジネス部族の商法をみてると、金をかせぐ根本的な手法が観られるし、明らかに成功か失敗かが観られるので面白いです。本当に順応する能力が高いのだなあ。
今日も読んでくれてありがとう。尊敬するエッチな経営者が「ビジネスの基本要素の99%は子供の遊びに含まれている」といっていましたが、それとほとんど同じ理由で、アフリカのビジネス部族は観測する価値があると感じています。カラスも商売始めないかなあ。