半関心

『アヒルと鴨のコインロッカー』に出てくる河崎は、片っ端から女性に声をかけてホテルに連れて行こうとする。それを生きがいとしている、変わった人物だ。
誰かれ構わずセックスに誘いたいなんて決して理解できないだろう、そう思っていた。 “半関心” の続きを読む

発見

人はなぜ、コンサートやライブに行くのだろう。YouTubeやCDから音楽を聴くことができるのに。

前から疑問に思っていたけれど、その答えがわかった気がする。

ステージの上であの子が歌っている。ギターを弾いている。
ああ、あんな風に歌うんだ。

その子の観客になれたことが、私はうれしかった。

ドアを開けて物干し竿の方を確かめると、もうすでに洗濯物は取り込まれたあとだった。ばーちゃんだな、と私は思う。
そのまま家に引っ込む代わりに、私はその場に腰を下ろした。ここは庭。芝生ではないけれど、座っていても誰も文句は言わないし。 “庭” の続きを読む

文章が生まれてくるところ

窓の外に皇帝ダリアが見える。ちょうど向かいにある車庫の屋根と同じくらいの高さだ。10月の日差しを受けて、緑色をした幹はまっすぐ空へ向かって伸びている。
もう少し寒くなると、「皇帝」の名にふさわしい気品を兼ね備えた、堂々たる、薄紫の花をつけるはずだ。 “文章が生まれてくるところ” の続きを読む