マルセリーノは、いつもめちゃくちゃ素敵なジャケットを着ていた。それには青、白、金の糸を使った華やかな幾何学模様の刺繍が、袖の先や襟の端までみっちりと施されている。近づいてよくよく見せてもらうと、所々に紫や橙、黄緑の糸なんかも細かく編み込まれている。その色と模様は、彼の力強い褐色の肌にとてもよく映えたし、太陽のような笑顔を見事に引き立たせた。学校で初めて彼と話した時、 “マルセリーノのジャケット” の続きを読む
心から言う"I love you"
今日はまったく予定がない休日で、一日中ぶっ通しで海外ドラマを眺めていた。
「愛しているわ」
女性は男性の首に腕を絡める。しかし、男性は応答しない。
「今は言えないんだ」
女性は悲しそうに目をそらす。
「今言ったら、ただの応答になってしまう。その言葉は心から言いたいんだ」『グレイズ・アナトミー』
雨上がりの土
はじめて、コピーライティングしました。
僕は大学3年の夏に電通の長期インターンに参加した。特に広告業界を志望する気はなかったけれど、周りがインターンに参加していたので仕方なく聞き覚えのある会社にESを送った結果、すんなりとパスしたのである。
バイアスとうまく向き合うために。
妄想を繰り返して
薔薇の香り (2)
続いて日付通り、16日のダーリンです。(だらだらとオチもなく…すみません。)
コンビニに行ってきますとLINEして、あれこれ買って部屋に戻った。彼女は布団の中でケータイを触っていて、つまりはしっかり生きていた。むしろピンピンしていた。当然である。鍋でお湯を沸かしてスープはるさめを作ると、「これはこれは、いいチョイスですね〜」と喜んで起きてきてくれた。これには私も猫被りのくせ、うっかり尻尾をフリフリした。 “薔薇の香り (2)” の続きを読む
薔薇の香り (1)
すみません、15日は私の知らない間に勝手に16日になっていたので、これは16日の朝、15日の分のダーリンとして書くものです。
昨日は夕方、ある先輩からこんなLINEがきた。
「寒いです。今日明日は久しぶりの休みです。あたたかいものをお待ちしています。」 “薔薇の香り (1)” の続きを読む
ごめんなさい、よしだのダーリン。
どうするか。もうこんな時間だぞ。結局何も更新できないまま、ただ文章を連ねている。
昨日は書くタイミングが4回あった。タイミングというのは時間の問題ではなくて、扱う題材が定まったタイミングということだ。昨日の早朝に梅佳代という女性写真家のことをよく考えていたら、「今まで複雑性の話はしてけれど乱雑性の話はしていないな」と思い当たってこれにしようと決めた。