例外

テレビを買ったので、NHK受信料を払わねばならない。しぶしぶながら郵便受けに入っていたお知らせを開けた。テレビがなかった今までは真っ直ぐゴミ箱行きだった封筒だ。支払い手続きの案内と一緒に番組の情報が載っているチラシが入っていた。チラシに用はない。ぽいだ、ぽい。ゴミ箱に投げ込もうとしたその瞬間、ハッと目を引く文字があった。米津玄師。 “例外” の続きを読む

天童荒太『悼む人』

「あの男はとっくに死んでいる」と、親の死に目に会うことを避けようとする蒔野。
夫を殺した倖世は夫の霊に取り憑かれ、自分の中に殺した夫が「いまなお生きる力を持っている」という言葉に動揺する。
まだ生きている人間が死んだことにされ、死んだはずの人がまだ生きている。
人は簡単に存在を否定する。
「神様なんていない」
「おれの中にお前の存在は、ない」
一方で、人は「愛」を信じることができる。
不思議な生き物。
生きている、存在だ。 “天童荒太『悼む人』” の続きを読む