「あの男はとっくに死んでいる」と、親の死に目に会うことを避けようとする蒔野。
夫を殺した倖世は夫の霊に取り憑かれ、自分の中に殺した夫が「いまなお生きる力を持っている」という言葉に動揺する。
まだ生きている人間が死んだことにされ、死んだはずの人がまだ生きている。
人は簡単に存在を否定する。
「神様なんていない」
「おれの中にお前の存在は、ない」
一方で、人は「愛」を信じることができる。
不思議な生き物。
生きている、存在だ。 “天童荒太『悼む人』” の続きを読む
石井東吾『隠と陽 歩み続けるジークンドー』
クラスノヤルスクに住んでいた頃のこと、ブルース・リーカフェというものがあって、一度行ったことがあった。階段になっている入り口を降りていくと、洒落た空間が現れる。ブルース・リーのポスターや写真が貼られている。ブルース・リー好きでなければ別段何ということもないカフェだ。7年前と変わりなければ、街の中心のミーラ通りに今もあるはずだ。
ブルース・リーの映画を私は見たことがない。ジークンドーの創始者だということも知らなかった。
「ロシアでもブルース・リーは人気なのか、ふーん」と、冷やかしにカフェを訪れただけだった。その7年後、一冊の本を読み終わって俄然興味が出てきた。
「隠と陽」とは?
「水のようになれ」とは? “石井東吾『隠と陽 歩み続けるジークンドー』” の続きを読む
Ooyasan
I had the air conditioner replaced with new one. It had been originally fixed in my apartment room for over 20 years. One day, one of the blades of the air conditioner fell off over my head. It was time to replace. “Ooyasan” の続きを読む
佐々木譲『カウントダウン』
Don’t worry!
セカンド・ドリーム
仕事納めの日に書く
白河三兎『私を知らないで』
その夜名古屋は美しかった
名古屋駅を歩くとすっかりクリスマス仕様だった。ライトアップされた巨大なツリー、天井を飾るイルミネーション。
「東京、横浜の駅よりも名古屋が一番好き」と彼女は言った。ヒロインの表情で。
彼女が主役でない映画なんて私には想像もつかない。
“その夜名古屋は美しかった” の続きを読む