目を開けて時計を確かめると7:30を指していた。ああ眠い。でも起きなければ。
着替えと朝食をすませると、分厚く重いコートに袖を通した。鏡の中に映る自分の姿を確かめる。目以外はすべてマフラーと帽子と手袋にしっかり隠されている。
さあ、準備万端だ。重い寮のドアを開け、私は外へと踏み出した。 “ロシア語メモ⑥ замёрзнуть” の続きを読む
きょうのごはん 20190610
10 июня
今日、実習の記録の最後のページを書き終え、紐でとじた。全てがきちんと終わった感じがする。
明日は、6月10日。
десятого июня
偶然にも、
10ヶ月間の留学を終えてクラスノヤルスクを発ったあの日から、ちょうど2年目だ。 “10 июня” の続きを読む
[君へ]
[咲き誇り誉れの花よ]
きょうのごはん 20190608
ハルキストより
令和時代の憂鬱日記
令和最初の夏は暴走機関車のような熱気を帯びていた。今日は北海道が一番暑くて、沖縄が一番涼しいと天気予報士は告げている。何もかもあべこべだ。当たり前はもう通用しないらしい。僕が信じていた当たり前も、どうやらこの暑さで溶けてしまったようだ。小学生の頃、普通に大学を卒業して、普通に就職するものだと思っていた。だが22歳の春、僕はまだ大学にいた。
きょうのごはん 20190602
1ぴき
「もうすぐお母さんが帰ってくるからね」
犬をひとり残して家を出た。
レモンは不安そうな目で見上げてくる。
鍵のかかった家の
柵の中で
家族の帰りを待っている。
私は1ぴきになりたい。
1ぴきの犬。
1ぴきの猫。
1ぴきの狼。
自由できままな心を持った存在。
何も寂しくはないよ。
好きな時に
好きなところへ行って
好きな時間に帰ってくるのだから。