『アヒルと鴨のコインロッカー』に出てくる河崎は、片っ端から女性に声をかけてホテルに連れて行こうとする。それを生きがいとしている、変わった人物だ。
誰かれ構わずセックスに誘いたいなんて決して理解できないだろう、そう思っていた。 “半関心” の続きを読む
ピアノを弾く②
聞こえると聞こえないの間
人間らしくなれ
発見
庭
ドアを開けて物干し竿の方を確かめると、もうすでに洗濯物は取り込まれたあとだった。ばーちゃんだな、と私は思う。
そのまま家に引っ込む代わりに、私はその場に腰を下ろした。ここは庭。芝生ではないけれど、座っていても誰も文句は言わないし。 “庭” の続きを読む
文章が生まれてくるところ
窓の外に皇帝ダリアが見える。ちょうど向かいにある車庫の屋根と同じくらいの高さだ。10月の日差しを受けて、緑色をした幹はまっすぐ空へ向かって伸びている。
もう少し寒くなると、「皇帝」の名にふさわしい気品を兼ね備えた、堂々たる、薄紫の花をつけるはずだ。 “文章が生まれてくるところ” の続きを読む
遠くを見つめる
ピアノを弾く
山登りは再び
recur 再発する
昨日覚えた英単語が脳内にちらついた。
I’m afraid that the sprain will recur on my ankle.
左足首がうずき始めていた。 “山登りは再び” の続きを読む