なぜ命には終わりがあるのだろう。

レモンの夢を見た。
昼間、実家を訪れてレモンに会ったばかりだった。そのせいか、夢の中のレモンは限りなくリアルだった。毛の色はクリーム色というよりは黄土色をしている。首の後ろはたてがみみたいにつんつんしていて、耳の後ろが一番柔らかい。短い足でちょこまか歩く。
触ると、背中と足の付け根に骨が浮き出ているのを感じた。もう若くはない。昔は黒豆のようだったつぶらな目も、今では白く濁っている。ちょっと走っただけで、「ぐえっ」と咳き込んだ。 “なぜ命には終わりがあるのだろう。” の続きを読む

time to tame

この言葉はあまりにも有名で、なんだか使い古されてしまったような気がする。だから初めて『星の王子さま』を日本語で読んだ時、ただ漠然と「いいなあ」と感じるのみにとどまってしまった。
「一番大切なものは、目に見えない」 “time to tame” の続きを読む

こんな日にはとにかく早く寝ることだね。

風呂で髪を洗いながら、なんだかもう無性に腹が立ってしまった。指に絡みつく髪の毛をみんな引っこ抜いてしまいたいのをぐっと我慢する。お湯でざぶざぶ洗い流す。そっと目を開けると、足に心当たりのない引っ掻き傷があることに気づいた。心当たりがないと言っても、今日はずいぶん乱暴に動きまわっていたから傷の一つや二つついていてもしょうがなかったと思う。 “こんな日にはとにかく早く寝ることだね。” の続きを読む