屋外で仕事をすることは多く、例えば今日は朝9時から塗装作業、午後は謎に脚立に登ったり窓枠をつたったりしながら、地上10メートルの滑車にロープを通したりなんたりしていた。外は暑くて、日差しはほぼ夏。汗が止まらずぐらぐらして、何度か高所で手が滑りそうになる。背中に浴びる熱の凄まじさ。この調子では、7月や8月はどうなってしまうのだろうと思う。けれどそんなの惚けた話で、どこの誰にも、もうそんな日来ないかもしらん、銃弾一発、ミサイル一発、生きるとか、死ぬとか、値上げとか給与とか、殺すとか殺されるとか、売り上げとか薬とか、週末の予定とか、今日買う物とか、核兵器とか牛丼とか、介護とか退職とか赤字とか納期とか暑さとかさぁ、まったく、なんなの、バカにしてんじゃあないわよ来るに決まってんでしょ7月だろが8月だろが引きずってでも連れてくるわいこんちきしょうめがと思い至って結果私は12匹も鯉のぼりを吊るした。事務所に戻りパソコンを開くと、Googleのトップページが、気候変動によってここ数年でどれだけ地表が変化したのか示していた。「あの、コピー機のエラーがどうしても直らなくて、」と、先日配属されたばかりの女の子が遠慮がちに声をかけた。酷い気分変動と不眠の辛さを訴えて、昨夜電話で父は泣いていた。うんこの話をして、少し笑ってもいた。

なぜ命には終わりがあるのだろう。

レモンの夢を見た。
昼間、実家を訪れてレモンに会ったばかりだった。そのせいか、夢の中のレモンは限りなくリアルだった。毛の色はクリーム色というよりは黄土色をしている。首の後ろはたてがみみたいにつんつんしていて、耳の後ろが一番柔らかい。短い足でちょこまか歩く。
触ると、背中と足の付け根に骨が浮き出ているのを感じた。もう若くはない。昔は黒豆のようだったつぶらな目も、今では白く濁っている。ちょっと走っただけで、「ぐえっ」と咳き込んだ。 “なぜ命には終わりがあるのだろう。” の続きを読む