台風は迷惑をかけたお詫びのつもりか、行ってしまった夏の幻を数日分ほどここに置いていった。 “夏が終わった、というただそれだけの話” の続きを読む
無意味
時々何もしたくなくなるよ。何をしたって心が満たされないままな気がしてきて。何をしたって意味などないような気がしてきて。 “無意味” の続きを読む
なんでもない一日
ゆらり、ゆらりと空が傾く。頭上を月が行ったり来たり。
私はブランコの鎖を握る手に力を込めた。飛び降りたい衝動と恐怖で心が揺れる。やめとこ、飛び降りたら鉄柵にぶつかって骨が折れるかも。 “なんでもない一日” の続きを読む
no title
流石にこれ、このまま流したらまずいよね、たぶん。
彼女は足元のバケツに視線を落としていた。何が入っているのかと少し近寄ると、匂いですぐにペンキと分かった。 “no title” の続きを読む
「チョコレートを食べるのが私の夢なんだ」
「これ、プレゼント」
私はチョコレートの入った袋を手渡した。
ああ、それは約束だったんだ。記憶がすっかり蘇る。
「牛乳なしのチョコレートを見つけたら教えるね」
“「チョコレートを食べるのが私の夢なんだ」” の続きを読む
1 сентября
ついに9月が来てしまった。
気づいたら、「いま」が終わってくれるようにと、ただただ生きている。この1分間、この1時間、この1日、この1週間、この1ヶ月、この1年が、「いま」でなくなってくれるようにと。 “1 сентября” の続きを読む
私をいじめないでくれ
ひとやすみの公園。
小さな空き地にベンチばかりが4つもある。そのひとつに腰掛けて、ぼーっとする。子どもたちに会う前の5分間か、みんなとさよならした後帰る前に10分間、自分だけになる時間。
今日は、公園には寄らなかった。雨だから。
代わりにダーリンに書くことにしよう。 “私をいじめないでくれ” の続きを読む
ゴーヤ弁当
どうも。はちまきです。
ここのところ、カンタさんのお弁当を見られないのがさみしいです。 “ゴーヤ弁当” の続きを読む
お酒に強くなりたい
お酒を自分のために買うのは初めてかもしれない。バイト帰り、ハイボールを買って帰る。
無事買えたということは、20歳以上に見られていたというわけだね。よかったな。 “お酒に強くなりたい” の続きを読む
赤い世界
気付いたらわたしは緩やかな坂を登り歩いていた。あたりは赤レンガで作られた、ひとつの家族が住むには十分な大きさの建物が並んでいて、遠くには雲が高く空に浮かんでいた。建物の足元にはひまわりたちが大きな顔で咲いていた。