カルディに感謝を

 

 

 

 

「桜のトンネルだね」綺麗とは言い難い油絵のような青と緑の中間の色をした川の両脇にピンクを飾った木がたくさん並んでいた。枝は川の方に向かって垂れていてそれは友人の言う通り”桜のトンネル”だった。

頭上にあるピンクの不安定な天井を見ながらわたしたちはみたらし団子をひとつ、口に入れた。程よい弾力と甘すぎないタレが「幸福」を感じる脳内物質を大量生産した。「おいしすぎない?」と友人と一緒に悶えてしまった。 “カルディに感謝を” の続きを読む

下北沢をもえちゃんとふらふらした。説明編

3月の末に、下北沢でダーリンのもえちゃんに会った。僕が下北沢を選んだ理由は、純粋に文化資本の香りを身に浴びたかったからだ。数日間実家の自室に引きこもって、息をひそめて生活をしていたので、恐ろしい速度の流れに身をまかせたくなった。下北沢には、本や服、演劇と文化的商品が溢れており、街を歩く人々は、古着を身にまとい、大量の資金を文化的商品に投下している。そして資金を集める店舗がさらなる文化資本を集める構造が存在している。
町のいたるところに「納税をせよ」と赤字で書かれた垂れ幕があった。それは一昔前の、「我々は闘う、お前たちは預金をして国を助けろ」という政府のプロパガンダを思い起こさせた。下北沢の一番街を散策していたらpropagandaというネオンサインが掲げられた、薄暗いカフェかバーのような店舗があった。どういう経緯でpropagandaという名前をつけたんだろう。店の窓から店内を除くと、20代後半の少しフォーマルな恰好をした男性の集団が、マルガリータやモヒートのようなカクテルを飲んで談笑をしていた。もえちゃんがいなかったらふらっと入っただろうなと思う。二人で怖いねえ、、、なんて言いながら店を通り過ぎた。しばらくしてもえちゃんは「私もお酒が飲めたらふらっとお店に入るのに」と言った。 “下北沢をもえちゃんとふらふらした。説明編” の続きを読む