「私、自信なくなってきました」
「どうして?」
「砕けられないんです」 “砕けるのが難しい” の続きを読む
毛皮を着たい
「ねえ、私の黒い上着知らない?」
「しらなーい」
レモンに聞いても知るわけないか。 “毛皮を着たい” の続きを読む
Домой
日の沈んだ街を私は歩いて帰る。
一歩一歩、肌に感じる風を味わうように。
急がなくていい。明日は休みだから。
今日うまくできなかったことは、心の奥にゆったりと沈んでいく。
歩いている間、自由になれる気がするんだ。何も望まなくていい自由。
仮定法
ところで私は仮定法が好きだ。
仮定法を見つけるとちょっとうれしくなる。まるで私に見つけられるのを待っているかのように、文の中にさりげなく紛れ込んでいる。 “仮定法” の続きを読む
Дождевик
雨の日の日曜日の朝早く、お客さんは少なかった。静かなお店の中で、私ははたき片手に商品を並べ直す。まるで嵐の後だ。お菓子の棚は見事なまでにぐちゃぐちゃになっていた。昨日のあの忙しさを思えば、無理もない。
パートさんが「夜勤さん仕事してない。遊んでるんじゃないの」とぼやいてる。 “Дождевик” の続きを読む
もんごるにっき 20190627
大人になる!
泥だんごを作って差し出すと、その子はそれを手にとってぽんと投げた。
ぽちゃん。 “大人になる!” の続きを読む
人生1000年計画
わたしが前に立つと、自動に引き戸は右に動いた。壁と床がちょうどいいグレーで統一されていて、長テーブルと椅子が規則正しく並べられていた。横には自動販売機に似た機械と、人の姿が見られない無人カウンターがある。 “人生1000年計画” の続きを読む
星に願いを
あやとび
「あやとび、知ってる?」
“あやとび” の続きを読む