ゆらり、ゆらりと空が傾く。頭上を月が行ったり来たり。
私はブランコの鎖を握る手に力を込めた。飛び降りたい衝動と恐怖で心が揺れる。やめとこ、飛び降りたら鉄柵にぶつかって骨が折れるかも。 “なんでもない一日” の続きを読む
「チョコレートを食べるのが私の夢なんだ」
「これ、プレゼント」
私はチョコレートの入った袋を手渡した。
ああ、それは約束だったんだ。記憶がすっかり蘇る。
「牛乳なしのチョコレートを見つけたら教えるね」
“「チョコレートを食べるのが私の夢なんだ」” の続きを読む
1 сентября
ついに9月が来てしまった。
気づいたら、「いま」が終わってくれるようにと、ただただ生きている。この1分間、この1時間、この1日、この1週間、この1ヶ月、この1年が、「いま」でなくなってくれるようにと。 “1 сентября” の続きを読む
私をいじめないでくれ
ひとやすみの公園。
小さな空き地にベンチばかりが4つもある。そのひとつに腰掛けて、ぼーっとする。子どもたちに会う前の5分間か、みんなとさよならした後帰る前に10分間、自分だけになる時間。
今日は、公園には寄らなかった。雨だから。
代わりにダーリンに書くことにしよう。 “私をいじめないでくれ” の続きを読む
ゴーヤ弁当
お酒に強くなりたい
夜空の鳥
ネタバレは許されないのか
昔のように
「お盆だから」
そう言って、巻き寿司のパックをばーちゃんは買い物袋に入れた。
またそうやって、孫を甘やかそうとするのか。いつもなら不服に思うはずだけど、今日の私は割合あっさりそれを受け入れた。 “昔のように” の続きを読む