最後のウォッカは、ばーちゃんお手製の梅ジュースで割って梅酒にした。
グラスに浮かべた氷をガリガリ噛んだら、気分がスッとするだろうか。
そうでもない。 “嫌いでいるよりも、好きになろう” の続きを読む
生きるために、書く。
部屋の中はもうずいぶん明るくなっていた。薄いカーテンが眩しさを多少は和らげてくれていても、日がすっかり昇ってしまっていることは隠しきれない。
おいしそうな匂いがしてきて、目が覚めてしまった。夢の中で誰かによく似た声を聞いた気がするけど、今となってはもう思い出せなくなっていた。
とりあえず、朝ごはんだ。顔を洗ってキッチンを覗くと、予想通りルームメイトがブリンチキを焼いていた。フライパンを使って器用にクレープ生地をひっくり返す。
ルームメイトは私に気づくと、焼きたてのブリンチキを差し出した。
「おはよう、ブリンチキ焼けてるよ。ほらこれ、1枚目」 “ロシア語メモ⑦ блинчики” の続きを読む
目を開けて時計を確かめると7:30を指していた。ああ眠い。でも起きなければ。
着替えと朝食をすませると、分厚く重いコートに袖を通した。鏡の中に映る自分の姿を確かめる。目以外はすべてマフラーと帽子と手袋にしっかり隠されている。
さあ、準備万端だ。重い寮のドアを開け、私は外へと踏み出した。 “ロシア語メモ⑥ замёрзнуть” の続きを読む
今日、実習の記録の最後のページを書き終え、紐でとじた。全てがきちんと終わった感じがする。
明日は、6月10日。
десятого июня
偶然にも、
10ヶ月間の留学を終えてクラスノヤルスクを発ったあの日から、ちょうど2年目だ。 “10 июня” の続きを読む
小学校の頃、音楽鑑賞が苦手だった。授業でベートーベンとかシューベルトの音楽を聴いて鑑賞分を書かされるやつ。
何を書いたらいいのかわからなかった。『魔王』や『荒城の月』が吹き抜けていく。空っぽの私の頭の中。真っ白な鑑賞プリント。
“好きでもない、嫌いでもない” の続きを読む
英検の申し込みがちょうど締め切られたところだった。間に合わなかったー、残念!次を目指そうかな。
願書の資格欄を書いていた時、思ったのだよね、英検受けておけばよかった!って。
どのみち出願には間に合わないけど、自分の英語力を磨くのにちょうどいいや。10月の英検を目指して今からちょっとずつ勉強しよう。
そのころには、実習も教採試験も終わって時間ができるはず。 “Звезда” の続きを読む