議論っていうのが私は苦手だった。相手の言うことに対して何かを言わないといけないけれど、誰かを前にしていると頭の中にあるはずの、自分の意見や言いたいことがするするほどけて雲散霧消。
それでも何か言わなくちゃ。かろうじて口に出せた意見はへなへなと、もうすでに自滅している。
違う、こんなことが言いたいんじゃない。
自分の中が空っぽになっていく感じ。
“おだやかに、熱く議論する” の続きを読む
生きるために、書く。
議論っていうのが私は苦手だった。相手の言うことに対して何かを言わないといけないけれど、誰かを前にしていると頭の中にあるはずの、自分の意見や言いたいことがするするほどけて雲散霧消。
それでも何か言わなくちゃ。かろうじて口に出せた意見はへなへなと、もうすでに自滅している。
違う、こんなことが言いたいんじゃない。
自分の中が空っぽになっていく感じ。
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友達4人で恋バナをした。理想のナツコイというテーマで雑談していて、練乳がこんなことを言った。
「夏に出会って夏に終わる、花火みたいな恋」
あ。
あれは花火みたいな恋だったのか。
すとんと腑に落ちたんだよね。夏ではなくて冬だったけど。 “Фейерверк” の続きを読む
バイトが終わって家に帰ると、私はベッドに転がり込んだ。油臭いけど寒いので布団に潜りこむ。そのまま夕食までの4時間をまんじりともせずに横たわっていた。
疲れきって眠いはずなのに眠りはおとずれなくて、その間に思考は記憶の波間を漂った。ゆらゆらと、あてどもなく。
ときどき目を開けては時計の針が進んでいることを確認した。
“再起動” の続きを読む
今日初めて場面指導を練習した。
まずテーマが出される。「明日は生徒の楽しみにしている野外行事があります。帰りのSTで担任としてどんな話をしますか?」
30秒考える時間があって私は椅子から立ち上がった。
「明日は火力発電所への見学に行きます。みんな楽しみにしていると思います。楽しみだよね?」
私の視線は架空の生徒を探してうろうろさまようけれど、目の前に座っているのは眼鏡をかけた白髪混じりのおじいちゃん。試験官役をしている面接指導の先生だ。
私は必死でクラスの生徒30人を思い浮かべようとする。 “想像力が窮地を救う” の続きを読む