似ているけど違った

久しぶりにカラオケに行ってみたいなって思ったんだけど、全然歌えないことに気づいた。聞こえる人ならただ耳から音楽を聴いているだけで歌えるようになるかもしれないが、私はそうはいかない。聞こえなくなってから時間が経つにつれて、どんどん音の記憶が失われていくのを感じている。普通にしゃべるだけでも発音がおかしいってことになったのだから。
楽譜を見ながらリズムと音程をイメージする。そうすると、ああ、こういう曲なのか、とわかる。わかった気になる。
もし私が生まれつき聞こえていなかったら、あるいは聞こえていた頃にピアノを習わなかったら、いま音楽を想像することはできなかったんじゃないかと思う。本当は聞こえないのに、音の記憶を頼りに、聞こえている感覚を補っているだけなのだ。 “似ているけど違った” の続きを読む